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佐藤純の「病は天気から」

医療・健康・介護のコラム

春に増える「うつ」「不眠」 寒暖差、低気圧の接近に注意…予防法は?

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休日は予定を詰め込み過ぎずゆったりと

 先にお伝えした通り、人でも天気の崩れにともなって気分障害が出やすいことはよく知られています。気象の変化にうまく適応できず、心身ともに異常を訴えるようになることもいろいろな事例から分かってきていますが、その明確なメカニズムについてはほとんど分かっていません。

 実験により、気圧が低くなるとネズミのうつ行動が増強することが分かったので、このモデルを使って、人の精神疾患が気象の影響を受けるメカニズムを明らかにしたいと研究を続けています。将来的には、人を低気圧に暴露したときの脳の活動の変化や、自律神経系の変化、さらには精神が安定する作用がある脳内セロトニンなどの分泌量の変化を調べたいと考えています。

 さて最後に、春のうつ病にならないようにするには、何に気をつけるといいのでしょうか。対策の基本は休息時間を増やし、ストレスをためないようにすることです。基本的には、やはり「睡眠」が大切です。毎日6時間以上、できれば7時間の睡眠時間を確保しましょう。また、春は活動的になりすぎてペースを乱しがちです。休日には予定を詰め込み過ぎないようにして、ゆったりとくつろぐ時間をもつことも大事です。私も春になると、決まって何か新しいことを始めようとするので、ほどほどに気をつけたいと思います。(佐藤純 愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授)

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佐藤 純(さとう・じゅん)

 愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
 1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛とうつう生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。

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