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[東日本大震災10年]福島 こころの軌跡<6>地域復興の息吹も力に

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 福島県南相馬市の主婦、タカさん(63)は、1日20回近く手を洗わずにはいられなかった。この手が「感染源」にならないか。「手は洗えばいいの? 洗わなくていいの?」。誰彼かまわず尋ねた。重度のストレス障害だった。2011年7月。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から4か月後のことだ。

[東日本大震災10年]福島 こころの軌跡<6>地域復興の息吹も力に

タカさん(右)の話に耳を傾ける佐藤さん(2016年8月22日)

 夫は、放射性物質の影響が長女に及ぶことを心配した。水道の水は使うな。洗濯物は外に干すな、とタカさんに命じた。それに従ううち、タカさんのこころは悲鳴をあげた。

 食べる、食べない。出かける、出かけない。日常の当たり前の選択に自信が持てず、決められない。

 長女が進学で県外に出ると、タカさんの症状は悪化した。ガリガリにやせ、感情の爆発が抑えられなくなった。震災と原発事故という非日常が、夫との距離の取り方を見失わせた。

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