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重症患者21人を他都市へ搬送できる「ICU電車」誕生
【ローマ=笹子美奈子】新型コロナウイルスの重症患者を搬送する「救急電車」がイタリアで始動した。集中治療室(ICU)を搭載し、ICUが満床の都市から、空床がある都市に患者を移送するのに使われる。
救急電車は16、17日にお披露目された。伊鉄道会社「トレニタリア」と防災庁などの共同プロジェクトで、費用は150万ユーロ(約1億9500万円)。8両編成のうち3両がICUとして使われ、21人のICU患者を搬送することが可能だ。
電車には酸素ボンベ22万リットルと自家発電機6機を搭載し、移動病院としても機能する。医師4人と看護師8人が乗務し、仮眠室やシャワーも備わっている。
イタリアでは昨年3~4月の感染「第1波」で、北部ロンバルディア州でICUが不足し、約120人の患者を国外や州外に移送した。その後、ICUの増床が進められているが、今年2月以降の感染「第3波」で、一部地域のICUは満床に近づいている。