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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

腸に風船のような出っ張り…50代以上の3割が持つ「憩室」、炎症起こして破裂も

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かかと落としが響いたら…炎症のサイン

腸に風船のような出っ張り…50代以上の3割が持つ「憩室」、炎症起こして破裂も

 50歳代前半のKさんは昨夜から腹痛が続いていると来院された。夕食を食べたあと夜半から痛みが出たという。今のところ発熱はないが、へその右側の痛みが続いている。吐き気も下痢もなく、昨日は通常の排便もあった。

 おなかの診察をさせていただくと、腸の動きに問題はなかったが、臍の右側を押すと痛みがある。立っていただき、痛みがある方の右足でかかと落としをするように地面をついてもらうと、若干お腹に響くようだ。これは炎症が広がっているサインであり、発熱でもあれば大事である。

虫垂炎ではなく

 Kさんに虫垂炎について伺うと、中学生の時すでに手術で切除しているとのことだった。症状と経過から大腸の炎症を疑い、その程度を調べるために血液検査をして帰宅いただき、家では絶食をお願いした。お腹に痛みがある場合は、基本的に食事はとらないようにしなければならない。脱水を防ぐため、水とお茶だけは少しずつ飲み、どうしてもおなかがすいたら砂糖入りミルクなしの紅茶でしのいでもらうことにした。

 血液検査の結果、細菌感染を起こしていることが判明し、抗菌薬の内服を開始してもらった。悪化すれば腹部CT検査などが必要だが、Kさんは薬を開始して2日目には痛みが消失したので、3日目の朝から消化に良い食事を開始してもらい、自宅療養で事なきを得た。

大腸に出っ張り

 症状の原因が他にもないかを調べるため、炎症が落ち着いて2か月後にKさんに大腸内視鏡検査を受けてもらうと、右側の大腸(上行結腸)に“憩室”という出っ張りがあることがわかった。確証を得るのは難しいが、Kさんの症状は憩室炎が原因だったと思われた。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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