医療・健康・介護のコラム
いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ
  • 標準
  • 拡大

「私だけが妊娠できない…」と自信喪失 周りは次々妊娠、2人目も

「私だけが妊娠できない…」と自信喪失 周りは次々妊娠、2人目も

 「妻がこのごろ、ふさぎ込んでいるようで……」と、Kさん(39)から話をうかがったのは1月に入ってからのこと。かねてより知り合いだった方なのですが、その時初めて、「実は妊活をしていまして」と詳しい話をお聞きしました。

 それによると、奥様Yさん(38)と妊活を始めたのは3年前とのこと。最初はタイミング法、その後ステップアップをして人工授精を6回、そして現在は4回目となる体外受精を行う予定で準備を進めている最中だといいます。

明るい性格の妻が元気なく

 Kさんが心配しているのは、奥様が最近とても元気がないようであること。もともとは明るくて、友人たちと外食や旅行に行くのも大好きな社交的な性格とのことですが、「昨年からは新型コロナウイルスの影響でそれもできないし、仕事は半分テレワークになっちゃったから、そもそもあまり外出しないんですよね。それで家にいることが多くなったせいで、ちょっとうつっぽくなって、元気がなくなっちゃったのかなと思っていたんですけど……」。ところが、次の治療に向けて準備を始めたころ、ボソッと「もう治療やめようかな」と言ったそうなのです。

 「それで、『えっ、Yちゃんは治療やめたいの? 子ども欲しくないの?』って聞いたら、『そんなことないよ。欲しいよ。そうだよね。次また頑張ろう!』って言って、その話はそれっきりになったんですよね。たぶん外出自粛がすごくこたえているんだと思うんですけどね」とのこと。

 お一人からの話だけでは事情がわからないので、「一度、直接奥様とお話しさせていただけますか?」ということで、ご本人から話をうかがってみたところ、全く違っていました。

 「もう、治療をやめたほうがいいんじゃないかと思って……」と言うのです。「やめたい、ではなくて、やめたほうがいい、というのは一体どんな気持ちがあるのか、もう少しお話を聞かせてもらえますか?」と促したところ、ぽろぽろ涙をこぼされて「私きっと妊娠できないと思うんです」とおっしゃいます。少し落ち着かれるのを待って、話をお聞きしました。

35歳で検査だけのつもりで受診、そのまま治療開始

 Yさんによると、そもそも最初に病院に行ったときには治療をするつもりではなく、念のために検査だけでもしてもらえばいいかなと思って行ったそうです。しかし、当時すでに35歳で「すぐに妊娠しても高齢出産になりますよ」と言われて大きなショックを受けたそう。「高齢出産は40歳以上だと思っていたので、まだまだ時間があるからって思っていたんです」とのこと。この間違いはとても多いです。今は昔と比べて、見た目も若く、はつらつとした方が増えていますが、妊娠適齢期、出産適齢期、高齢出産の年齢は、何十年も前から変わっていないのです。その認識を新たにする必要は本当にあるなと感じます。

 結局、Yさんはそのまま治療を始めることになり、タイミング法から徐々にステップアップして現在に至っているそうです。その間、一度も妊娠反応が出なかったYさんは、どんどん自分に自信が持てなくなってしまいました。特に、前回の体外受精の時には、担当の医師から「今回は今までで一番いい卵ですよ」と言われたので、大きな期待を寄せていて、それでもだめだった時のダメージは言葉にできないほどだったといいます。

 「フライングして自分で検査した時も陰性だったし、ぜんぜん、うっすらとも(反応が)出てなかったから、きっと今度もダメなんだろうなって思っていたんです。でも、もしかしたらって。今回は今までで一番いい卵で、自分で写真を見てもきれいだったから、期待しちゃって」

meet-baby_title2-200-200 松本亜樹子(まつもと あきこ)

いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ一覧を見る

きょうの健康レシピ

レシピのバックナンバーを見る