文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

福島原発事故、「がん増加する可能性は低い」…国連科学委が論文や調査から見解

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 世界の放射線医学の専門家らが参加する「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」は9日、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響に関する新たな報告書を公表した。住民の避難経路などを精査した結果、 被曝ひばく 線量は高くないと推定し、「将来にわたり被曝を直接原因とするがんなどの健康影響が増加する可能性は低い」と予測した。

 同委員会は原発事故の影響などについて、世界中の論文や調査を基に見解をまとめている。2013年にも同事故の報告書をまとめたが、論文などが少なく暫定評価にとどまった。今回は500本超の論文などを検討。甲状腺の平均被曝線量は、原発周辺から避難した1歳児で2・2~30ミリ・シーベルトと推計、13年報告の15~83ミリ・シーベルトより大幅に減った。

 報告書は福島第一原発事故の歴史的評価とされ、各国政府が被曝管理に生かす基礎資料となる見通し。

 同事故を巡っては、チェルノブイリ原発事故で1万9000人超の子供が甲状腺がんになったことから、福島県が事故当時18歳以下だった約38万人を対象に甲状腺検査を実施。252人ががんやその疑いと診断されたが、その原因について県の専門家部会は「放射線の影響とは考えられない」と結論付けた。今回の報告書も同様の見解を示し、治療しなくても死亡などに至らないタイプのがんを高精度の検査機器で見つけた「過剰診断」の可能性があると指摘した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事