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石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」

医療・健康・介護のコラム

「夫に早死にしてもらいたい妻たち」はいます

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 前回のコラムでは、「夫は妻よりも早く旅立ちたいと思っている」と紹介しました。一方、ストレス源になる夫が長生きすると妻の寿命が縮むようですので、夫の早死にを望む妻は少なからずいるようです。私たちが1217人の既婚女性(平均年齢46.4歳)にアンケート調査をしたところ、約半数の妻が夫の早死にを望んでいたから驚きました(「妻の病気の9割は夫がつくる」マキノ出版)。

それでも別れない理由

「夫に早死にしてもらいたい妻たち」はいます

 夫の早死にを望んでいる妻には、「そんなに嫌なら、離婚でもすればいいじゃないか?」と考える人もいるでしょう。しかし、離婚には主に「三つのハードル」があると言われています。

1.離婚がすんなり決まる例は少なく、財産分与や子供の親権に関してはかなりもめますので、弁護士を雇って争わなければならないでしょう。
2.子供の親権以上に問題になるのが財産分与です。現金だけなら、まだ分けやすいのですが、多くの方にとって財産と言えば土地や家屋です。それをどのように分けるかは、かなり厄介な問題でしょう。
3.離婚という家庭騒動が、白日のもとに (さら) されるのもつらい話です。うわさ話のネタにもなるでしょう。

ある意味自然なことかも…

 このような様々な理由から、離婚に難色を示す妻は多いようです。ある程度慰謝料や財産をもらっても、十分な仕事ができなければ、毎月の生活に困ってしまうでしょう。そのために離婚をしたくてもできない妻は、少なからずいるようです。離婚もできない上に、夫からのストレスにさらされている妻が、夫の早死にを望むのは、ある意味、自然なことかもしれません。ジャーナリストの小林美希さんはこのような夫の早死にを望む妻に関して取材し、2016年に「夫に死んでほしい妻たち」(朝日新書)を出版されました。夫にはショックな内容ですが、そうならないように、よく読んでしっかりと勉強しておいてください。

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石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)

 内科・循環器・性機能専門医。大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。大阪市内と都内で男性更年期外来を担当。主な著書に『夫源病』(大阪大学出版会)、『男のええ加減料理』(講談社)、『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』(幻冬舎新書)など。自転車による発電に取り組む「日本原始力発電所協会」代表を務め、男性向けの「ええかげん料理」の教室を各地で開くほか、孫育てに疲れた高齢者がネットで集う「孫育のグチ帳」を開設するなど多彩な活動をしている。ホームページは「男性更年期 夫源病 石蔵文信

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