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「皆さんの命と暮らしを守るため、一層のご協力を心からお願いを申し上げます」…菅首相の記者会見全文

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 政府は5日、新型コロナウイルス対策で、東京など1都3県に発令している緊急事態宣言の再延長を正式決定した。菅首相の記者会見全文は次の通り。

    ◇◇◇     

 ■冒頭発言

 先ほど、新型コロナ対策本部を開催し、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県において、緊急事態宣言を2週間延長し、3月21日までにすることを決定しました。宣言を発出した1月以降、大きな効果が目に見えて表れています。全国の新規感染者は8割以上の減少となりました。東京では解除の目安としていた1日あたり500人を下回る日が続き、本日は301人となりました。

 入院者や重症者の数も継続して少なくなっています。これは、諸外国のような厳しい宣言を行わずとも、ひとえに皆さま方の踏ん張りと、心を一つにして、懸命に取り組んでいただいた結果であります。医療、介護などの関係者の皆さんのご尽力、国民の皆さんのご協力に心より感謝申し上げます。

 宣言の解除については、新規感染者数、病床の利用率などを目安とし、判断を行うと申し上げてきました。1都3県については、ほとんどの指標が、当初目指していた基準を満たしています。しかしながら、病床の使用率が高い地域があるなど、依然、厳しさが見られます。また、感染者が減少傾向にあるものの、そのスピードは鈍化しています。人出が増加している地域もあり、いわゆるリバウンドの懸念も高まっています。2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間であります。

 こうした点を、冷静に、そして総合的に考慮し、内閣総理大臣として延長の判断を致しました。当初、お約束した3月7日までに宣言解除することができなかったことは、大変申し訳ない思いであり、心よりおわび申し上げます。

 飲食店の時間短縮、不要不急の外出の自粛やテレワーク、こうした効果的な取り組みを地方自治体と連携し、徹底してまいります。さらに、高齢者施設などにおける感染を早期に発見し、クラスターの発生を防ぐため、3月末までに、約3万の施設で検査を行います。

 また、市中感染を探知するため、無症状者のモニタリング検査を現在、栃木県で開始しており、今後、大都市でも規模を拡大して実施していきます。

 特にリスクが高いのは、マスクを外した会話が多くなる飲食であり、そこが対策の中心となることも分かってきました。

 春は卒業式、入学式、歓送迎会など人生の節目であるとともに、お花見など人が集まる機会も多くあります。昨年末には忘年会の影響で感染が拡大した。こうした指摘もあります。今回、そうした機会でも、大人数の会食はお控えいただきますよう、お願いをします。

 そして、解除後の地域であっても、会食はできるだけ、ご家族または4人以内でお願いを致します。

 こうした対策について、今後、テレビコマーシャルのほかにSNS、動画も活用し、若い世代にも届くよう広報に力を入れていきます。飲食店の感染防止策の順守については、自治体と協力をして見回りを強化するなど、実効性をさらに高めてまいります。

 経営者の方からは事業を継続することが難しい(という)深刻な声もうかがっております。政府としても、できるだけの支援を続けていきます。

 病床の確保が各省庁や自治体との調整が必要な課題については、私が先頭に立って縦割りを乗り越えて解決をしていきます。

 先月、医療関係者へのワクチン接種が始まりました。私も早速、視察させていただき、安心して仕事ができるよう、早く多くの人に受けてほしい、こうした現場の声をうかがいました。医療の最前線を守るという観点からも、ワクチンが希望の光になる、そうしたことを改めて実感をいたしました。

 医療関係者の接種予定者は当初の見込みでは370万人でありましたけれども、さらに100万人を超える希望者の方が寄せられております。また4月12日から、全国の高齢者の皆さんへの接種をスタートし、4月末からは規模を大幅に拡大して、感染対策の切り札として、希望する国民の皆さんに一日も早くお届けをいたしたいと思います。

 これまで、約3万7000人に接種を行っていますが、副反応に関する情報を含め、引き続き分かりやすい情報発信を行うとともに、自治体と連携をして準備を進めてまいります。

 変異株については地域的な広がりは確認されていないものの、昨年末以来、19都府県で確認されており、引き続き、十分な警戒が必要です。今月から、変異株が短時間で検出できる新たな方法の検査を全ての都道府県で実施し、国内の監視体制を強化いたします。

 同時に、水際の新たな措置として、全ての帰国者、再入国者に対し、14日間の待機中は携帯電話の位置情報に加え、毎日、ビデオ電話で状況を確認する体制を整えます。

 新型コロナが長引く中で、事業や生活へ深刻な影響が及んでいます。飲食や宿泊、地域の公共交通機関など特に厳しい状況が続く業界もあります。

 生活資金、雇用調整助成金など、できる限りの支援を継続します。また資金繰りについては、十分な資金と規模や状況に応じた様々な支援策を用意しており、事業者の個別の相談をうかがい、丁寧に対応してまいります。

 また、昨年以来、特に女性の自殺者が増えていることに、大変心を痛めており、対策が急務です。女性の収益や、一人親の方々をはじめ、就業に困難を抱えている方々について、ITスキルなどの訓練の機会を大幅に広げ、できる限り希望に沿った就業がかなうよう、寄り添った支援を行ってまいります。

 また、外出自粛が続く中で望まない孤独や孤立で不安を抱えている方々が、たくさんおります。先日、そうした方々を支援するボランティアの代表の皆さんから、私自身、切実な声をうかがい、社会全体で取り組む必要さを強く感じました。子供の見守りや、自殺防止の相談を行う団体にも、積極的に支援をしていきたい。このように思います。

 こうした深刻な問題に対し、今月中に関係閣僚による会議を開催し、緊急の支援策を取りまとめます。

 世界でもコロナウイルスとの戦いは続いております。しかしながら、欧米に比べて、我が国の感染者数は、格段に少ないです。失業者は諸外国の中でも極めて低い水準にあります。これはこの1年、国民の皆さんや事業者の方々が、真剣に、そして懸命に取り組んでいただいた結果であります。

 今、総理大臣の私がなすべきことは、これまでの成果を確実なものにし、リバウンドを阻止し、宣言を解除できるようにすることです。「緊張感が緩んできている」、こうした意見もある一方で、「もう限界だ」、こうした声があることも承知しております。

 こうした様々な声にも、思いを巡らしながら、私自身、もう一度対策を、もう一段、対策を徹底する決断をいたしました。国民の皆さまには、大変申し訳ない思いですが、皆さんの命と暮らしを守るために、そして、安心と賑わいのある生活を取り戻すために、一層のご協力を心からお願いを申し上げます。以上であります。

 ■質疑応答

 ――緊急事態宣言が再延長した原因はどこにあるとお考えか。国民への首相のメッセージは十分だったと思うか。新規感染者数が下げ止まる中で、2週間で十分に数値を落として、宣言を解除し、その後のリバウンドを抑止する科学的根拠はあるか。

 首相 まず緊急事態宣言後の対策の効果によって、多くの指標は、当初目的としたステージ3、この目標は、東京を中心とする首都圏でも、ほぼ満たしております。ただ病床の状況など、一部の指標においてギリギリの所があります。まさに、そうした中で、慎重に見極める必要がある。

 このところ人出も多くなっています。リバウンドを防ぐために、まず、ここは、2週間延長させて頂こうと思いました。3月7日まで、お約束の通り解除できなかったことについては、素直におわびをしたい、率直におわびしたい、このように思います。

 また、私の発信についてであります。飲食の短縮に加えて、不要不急の自粛、外出の自粛、こうしたことを、このところ数多くのぶら下がりの回数があると思います。そういうぶら下がり会見のなかで、訴えをしてきました。結果については、それは国民の皆さんだというふうに思っています。

 今回は、これからテレビコマーシャルとかSNS、こうしたことを通じて、動画ですよね。できる限り若者をはじめとする幅広い層に対して宣伝を、コマーシャルを、従来より倍増くらい、そういう思いで徹底のお願いをさせていただきたい。こういうふうに思ってます。

 いずれにせよ、この基本的対処方針で求められている、そうしたことをしっかりとクリアし、そして次に感染者が多くなっても、しっかり病床も確保できる、そういう体制をこの2週間の間に、しっかり作っていきたい。このように思います。

 ――どうなれば、この2週間で緊急事態宣言を解除できるのか。新たなゴールの基準を聞かせてほしい。さらなる病床対策は考えないか。2週間すれば春休みになる。さらに延長する可能性はあるか。

 首相 まず目標として、例えば東京だと、ステージ3の段階というのは、新規感染者が50人、病床の占有率50%です。ここは、新規の方が大幅に減少してます。きょうは301人ですが。

 病床ですけど、東京都はクリアしていますけども、ちょうど50%ギリギリのところも、今、 逼迫ひっぱく しているところもありますので、そうしたところにおいて、やはり病床を全部50%以下にするわけでありますから、そういう努力はしっかりと行って、そうした態勢を作ることが、まずは、この2週間でやるべきことだと思います。

 感染対策、マスクを外した会話が、やはりどうしても多くなり、感染リスクが高いのは飲食であります。さらに卒業式、入学式、歓送迎会、お花見など、こうしたことも控えております。

 感染対策を徹底してもらう、そうしたことを行っていきたいと思いますし、この3万の高齢者施設で3月中に検査を行いたい。さらに、街頭でもモニタリング検査、無症状の方がおりますから、そうしたことをしっかり行って感染拡大を防止していきたい。

 そして病床も、一定以上の余裕のある数字になるまで落としていきたい。そして、次にもし、そうしたコロナ、さらに感染が拡大するような時には、しっかりと備える態勢をこの2週間の間に作っていきたい、このように思います。

 尾身 私の方から2点だけ申し上げたいと思う。

 今回、前から解除の条件として示していたものは、実はクリアしている。感染の数は、ステージ2までいっているし、医療体制の負荷というものも、実は辛くも、千葉などは一応あったが、ステージ3になり、ステージ4は脱却している。

 おそらく多くの人々は、なぜ大阪や中京は1週間前に解除したのに、今回、一応はクリアしているのに解除じゃなくて、2週間の延長と。ここは私は非常に重要だと思う。解除の条件とも関係するが、今回は医療の負荷という意味では辛くもステージ3にいったが、まだまだ安定的な改善の方向に行っていないので、ここについてはもう少し頑張る必要がある。

 二つあって、感染を下げるという方向もあるし、医療の体制を、ベッドをもっと増やすという両方のことが求められると思う。

 もう一つ。なぜ首都圏は2週間の延長なのか。一言で言えば、首都圏の特殊性というもの。全国の感染は首都圏が非常に重要な、いろんな意味でも感染の数も違うし、首都圏の特殊性というのはどういうことかというと、いろいろございますよね。

 人口が多く、同時に歓楽街やら、いろんなコミュニティーがほかの地域に多いということ、それから、人々の匿名性というものがある。それから大きな自治体だから、都と23区のいわゆる保健所の設置の、市との関係、いろいろ努力はもちろん関係者がされているが、所帯が多いので、なかなか広域の連携が難しいというようなことで、実はほかの地域に比べて、いわゆる家庭内感染とか、職場内感染とか、そういう話が出る。

 だが、あれは感染の伝播の一番の帰結を見ているので、実はクラスター感染、必ず原因がある。多くの場合は原因が分かることが多いが、首都圏においては、ほかの地域に比べて感染、クラスターの源が分からないことが多い。このことが実は今回の首都圏の課題の最も重要な問題の一つだ。

 従って、先ほどの基準でいうと、私は大きく分ければ二つあると思う。一つは国が設定した基準。しっかりと医療体制も負荷がかからなくなること。またステージ3に戻ったら困るから、ステージ2に近い方にいくということだと思う。今まで、何回もいろんな所で語られたことだと思う。

 もう一つ。今回2週間延長した意味です。この2週間に何をすべきか。

 今言ったように感染状況、医療状況をしっかりさせると同時に、もう一つは首都圏の固有の問題があって、これは感染のクラスターの源が必ずしもどこにあるか分からないというのが、これが実態です。

 従って、このリバウンドを起こす可能性というのが他の地域より高いということで、私は解除、この2週間の間にぜひ当該の知事さんたちにお願いしたいのは、解除すれば、必ず一定程度の感染拡大は見られますから、そうしたものが本当のリバウンドにならないような防止策を、しっかりした体制の強化を2週間にしっかりやってもらいたい。

 2週間か、3週間かは、1週間の違いはあるが、むしろ大事なことは、2週か、3週か、1週かではなく、延長期間にリバウンドを防ぐ防止策をしっかり考えていく。検査のこともあるし、医療体制の強化もあるし、あるいは、いわゆる皆さんがおっしゃる「マンボウ」(まん延防止等重点措置)をいつ使うか、ということもある。

 そういうことが、今この2週間の間に求められて、そのことができるかどうかが、解除のやる時に、ひとつ重要な、当然考慮すべき点になってくると思います。

 ――「Go To トラベル」について。再開の時期の見通しを、どう考えているか。

 首相 緊急事態宣言が延長になり、Go To トラベルも当面、再開は難しいと考えています。今後、各地域の感染状況を踏まえて、専門家のご意見をうかがいながら、判断をしていきたいというふうに思います。

 いずれにしろ、各地域での感染状況、これ様々ですから、まあそういう中で、いろんな地方から要請も来てます。県内だとか、いろんな要請も来てますけども、最終的には専門家の皆さんのご意見をうかがいながら、判断していきたい。当面は再開は難しいと考えています。

 ――東京五輪・パラリンピックへの海外の観客の受け入れについて。国内外の感染状況が厳しい中で安全安心の五輪に向けて海外の観客を受け入れることは可能と考えるか。

 首相 外国人を入れる場合の対応策については、まだ、「入れる」「入れない」という判断は、これからであります。そこについては、私は申し上げることは控えたいと思います。

 いずれにしろ海外の観客については、先日、バッハIOC会長との、いわゆる五者会談において、3月中に判断をする、こういうことで合意を得ております。

 引き続き、変異株の影響とか、国内外における感染状況を踏まえて、主催者であるIOC、IPC、東京都組織委員会の中で検討して参りたいと思います。

 また、五者会議の中で、丸川五輪相が変異株の影響などが予測できない中、現時点で今年の夏の入国の可否を見通すことは困難である。慎重な判断が必要である、こうしたことを発言したということを承知しています。

 ――若手の官僚の退職が増えていると聞く。今官僚の皆さん激務で「ブラック霞が関」という言葉も出ている。問題について第三者を入れてあり方を検討する考えはないか。

 首相 若手官僚が途中で退職される、このことは極めて残念なことですけれども、逆にいったん退職して、また元の省に帰ってくる人もいるのも事実です。

 いずれにしろ、労働力の流動化、やはり大事かなというふうに思います。ただ、志半ばで諦めていくんじゃなくて、次のステップということを考えて、人事異動ができるよう、若い人はそうした方が良いのかなというふうに思ってます。

 それと、接待で今いろんな問題が出ています。これは、まさに官僚の倫理法ですか、しっかり守ってもらうというのは当然のことで、そういう中で、もう一度、私自身が関係大臣、またそれぞれ各省庁に倫理監督官がおりますから、徹底するようにしていきたいというふうに思います。

 そういう中で、官僚と政治のあり方について、第三者委員会という話があります。私は、まだそこは様子を見ていたいというふうに思います。

 それと、コロナの中で、もうほとんど厚生官僚だけでなく、多くの官僚の人が休みなく、去年からゆうに1年以上たつわけですけども、そうした大変な努力をしている。そうしたことには私は心から敬意を表したい、このように思います。

 ――総理は東京五輪の開催に意欲を示されてきた。コロナをどう抑え込む戦略を描いているのか。

 オリンピックと関係なく、一日も早いコロナ感染を収束させる、これが私の役割だと思います。今回の延長で、何としても感染拡大を抑え込んでいきたいと思いますし、宣言解除後も、感染の再拡大を防ぐために、専門家のご意見をうかがいながら、対策をしっかり行っていきたいというふうに思います。

 なお、今後、感染対策の決め手となるのが、ワクチンだと私は申し上げています。4月12日から高齢者への接種を開始し、6月末まで、65歳以上の高齢者全員に2回接種するワクチンの配送を行いたいと思っています。一日も早く、全ての国民の皆さんに安全で有効なワクチンをお届けしたい、そのために全力で取り組んでいきたいと思います。

 また、海外から観客を、ということであります。そうしたことについて、3月中に決定するとなっていますので、そうした状況を見ながら、水際対策は変わってくるだろうと思います。今、万全の対策で行っていますが、いざ観客を入れるとなると大変な状況にありますから、人員も含め、今月中に方向性を決めたいと思います。

 ――封じ込めに向け、国民の行動変容を促す新たな方策を打ち出す考えはあるか。

 首相 行動変容について。今日までの学習の中で、やはり飲食に的を絞って行ったことで、ステージ3の、新規感染者が大幅に減少してきているということ。ここは事実だと思います。

 同時に、新たに力を入れてやりたいということが、高齢者施設。国の責任で今月中に3万か所で検査を行っていきたい。そして、定期的にも、徹底してクラスターの多い部分を潰していきたい。それと、また、若者の多い、いわゆる繁華街というところですか、これは尾身会長からも強い要望がありまして、モニタリング検査を新たに行っていきたい。このように思っています。

 そして、今行っている、マスク、手洗い、3密(対策)という基本的なことをしっかりやる。そうしたことで、2週間の中で感染者数は、さらに(感染)防止して、病床使用率は50%ギリギリのところが1か所あるわけですけれども、さらに大幅に改善する。2週間でそうした所をしっかりやっていきたい、と思います。

 ――WHO(世界保健機関)や各国の対応を評価する独立調査委員会のように、自治体や政府の取り組みや対策の効果を監視分析し、国民に報告する仕組みも必要ではないか。例えば、日本学術会議に諮問などして、フェアに分析・提言してもらうのはいかがか。

 首相 ご指摘のように病床の確保や検査体制の整備、感染対策の実施など、新型コロナ対策を進めていくにあたって、地域の状況を最も把握している自治体の役割は極めて重要だと思っています。国としても自治体と緊密に連携しつつ、自治体の取り組みを強力に支援していくことが重要だというふうに思っています。

 例えば、昨年12月暮れに、東京都のベッド数が緊迫していた。国と都と区が連携して国の新しい病院支援策、そうしたことによって、2000床を約1か月で増やすことができていますから、そうしたことが、やはりものすごく大事だと思います。

 一方で感染状況や様々な対策を評価し、助言するという専門家による組織として厚生(労働)省のコロナ対策の分科会や専門家会議というのが現在はあります。

 今後、こうした会議で地方自治体の取り組みも含めて、我が国のコロナ対策、成功している所は横展開するなど、いろんなことを取り上げていきながら、政府と自治体が連携して行っていきたいと思います。

 コロナ対策として財政的支援は全て国が今行っています。連携してやることが大事だと思っています。

 尾身 私どものレベルですが、いろいろ自治体の現場で働いている人と情報交換、意見交換していますけど、ご質問にあったように自治体の中では、極めて優れた取り組みをやっているところが多いんですよね。

 その場合には、だいたい例外がないと思いますけど、そこには、しっかりとした、それぞれの部署にリーダーがおられるんですよね。

 何となくみんなが、ただ集まって会議というよりも、積極的に分析をしたり、積極的に知事さんを動かしたり、そういうところは間違いなく、いろんなところ、進み具合がいいんですね。

 そういうところは、やっぱり感染の抑えに大体成功しているし、高齢者施設の感染への対応もそうで、そういう意味では、おっしゃるようにいろんな連携をするということと、またそれを評価し、ほかの自治体に参考になっていくということは、定期的にやっていけばいいと私も思っているし、今もやっていますけど、それは強化していったらいいと思います。

 ――国と地方自治体との関係について。国の権限を強化する形で制度を見直す考えはあるか。

 首相 現状の対策ですが、国が基本的な方針を決めて、その枠組みの中で都道府県が対策を講じ、それに対して国が必要な財政支援をする。こうしたことが特措法で定められています。

 また病床の確保においても、国がやはり強力な財政支援をし、各都道府県において事前に計画を策定して、地域の感染状況において病床確保する。ある意味で国と地方の関係というのはそのような関係であります。

 常に、国は財政支援で応援する。そして、現場は、都道府県である。しかし国からも成功例とか、そうしたことについて都道府県にも指導するというとかですかね。クラスターが発生すると国のチームがいくとか。そういう形でやってます。

 こうした仕組みの中で、適切な役割分担をしながら今、進めているわけでありますけども。国と自治体が連絡を取りながら病床の確保とか、そういうことをやっていますけれども。ただ、収束した段階では、必要な検証はしっかり行っていく必要があるのではないかなというふうに思ってます。

 ――総務省の谷脇総務審議官がNTTから接待を受けたとされる問題。谷脇さんに、このまま今のポストの仕事を続けさせる予定か。武田総務相の責任は、どうお考えか。

 首相 今のお尋ねについては、現在調査中だと承知しておりますので、答えを控えさせていただきたいと思います。

 また、武田大臣は、そのリーダーシップのもとに、事実関係の確認を徹底し、ルールにのっとってしっかり対応してほしい。このように思っています。

 ――放送事業者による官僚への接待問題について。ここまで強い監督権限を総務省に与え続ける合理性について、どういう理由があるのか、どうお考えか。

 首相 放送を含む情報通信分野は、技術革新や国際競争が極めて激しく、国家戦略的な対応が求められる、と思っています。そう言う意味で機動的、一体的、総合的な対応を可能とする省の形で、大臣が責任を持って迅速に行政を執行する制度に今、日本はなっていると思います。

 実は日本も、かつて行政委員会、ご承知だと思いますけども、戦後広く導入された時期がありましたけど、当時、責任の所在がどうしても不明確になってしまう、そういうことで廃止された経緯などが実はあります。

 ただ、電波そのものは、インターネット、放送と通信の境がなくなってくるとか、いろんな状況になってきているのも事実だと思います。そうしたことを、もう少し検討する必要があるのではないかなと思ってます。

 ――コロナの追加経済対策として、自民党の一部や立憲民主党など野党の中から、困窮世帯に限定した形での個人向け給付金の再支給を求める声が上がり始めている。どう考えるか。消費税減税について考えを。

 首相 まず新型コロナで影響を受けられている方へ、暮らしを支えるための支援をしっかり行っていきたいと思います。特に生活に困窮されている方々については、緊急小口資金の限度額を、200万円に引き上げました。

 そして一定の所得水準以下の方は免除する。返済免除の措置もいま講じているところであります。また住宅確保給付金、これも再支給を行ってます。また、雇用への影響が大きい女性の非正規の方々、コロナ禍のなかで孤独、孤立、不安を抱える方々、こうした方々に対して、早急に対策を検討し、今月中にもまとめる予定であります。

 なお、先ほど私が申し上げた中で、やはりIT、就業に通じる支援策を、しっかり行っていきたいなというふうに思っています。特に非正規、そして一人親家庭の皆さんに対して、そうしたことはしっかりやっていきたいなというふうに思います。

 消費税ですが、社会保障の財源として、幼児教育の無償化とか、大学の授業料、一定の所得以下の人には減免させて頂くなど、約2兆円使わせて頂いてますので、これはそういう財源になっていますので、引き下げは考えておりません。

 ――改正特措法に基づくまん延防止等重点措置の適用を、この段階で検討する可能性はあるのか。

 首相 特措法において新設された、このまん延防止については、基本的対処方針の中で、感染状況が「ステージ3」相当となった都道府県において、感染が減少傾向にあっても県内の特定の地域、たとえば東京都は新宿区を中心に対応したこと、一斉検査を行ったことがあります。ですから、全体というよりも、地域を特定して対応する。そうした中で感染拡大防止に対して、大きな効果があるのではないかなと思っています。

 ただ、2週間後にすぐとか、そういうことでなくて、一つの新しい武器を持つことができたと思っていますので、緊急に広がってきたら、その地域を潰すとか、こっちの地域を潰すとか、臨機応変に対応できる仕組みだと思っています。

 具体的な適用の有無について、今申し上げることは控えたいと思います。臨機応変に使える仕組みで、大きくなる前に、そこで感染拡大を防止する。そういう場所には効果があるだろうと思っています。

 尾身 まん延防止重点措置については、私自身も含めて分科会はかなり強い関心を持っている。なぜならば、去年、残念ながら2度目の緊急事態宣言を発出しなかった理由の一つは、我々、分科会はもう去年の夏頃にステージの考えを提出させてもらって、ステージの考え方の背景には、緊急事態宣言を発出する前にステージ3という、言ってみればバッファというか、中間地点をおいて、そこに来たらもうかなり今までそのステージ2以下の時よりも強い、「準緊急事態宣言」といってもいいと思うが、そういう措置をしっかりやっていただき、緊急事態宣言を何とか回避したいという思いでできた考え方だ。

 先ほど自治体と国との役割、権限という話があったが、実は様々な理由で、強い措置を踏むことが、必ずしも一体感をもって出来なかったということがあって、それは先ほどの質問の中で言えば、国と権限の役割あるいは責任の分担ということも関係しているが、結果的には少しそういうことで、そもそもステージ3の時に比較的強い措置をとっていただいて、緊急事態宣言、ステージ4を回避するということが、いろんな理由でこれはうまく機能しなかったということが強く我々は感じている。

 従って、今回は2週間の延長ということもあるし、その後いずれは解除されますよね。我々は大きなことを学んだと思う。そういう意味で、この「マンボウ」を適宜、大きな波になる前に、しっかりと国が決めて、自治体も一緒に、連携してやってもらうことが、私は去年学んだことを生かすという意味で最も重要なものの一つだと思います。

 ――病床使用率について。東京都の重症者病床の使用率が、国の基準に合わせたことで突然大きく下がった。重要なデータで、大幅な修正が何度も続くようなら数字の 信憑しんぴょう 性にも関わってくると思う。明確に統一するなど、考えはあるか。

 首相 本来、各都道府県の病床の状況は、全国統一の基準でみるべきものだと思います。かねて、東京都に対しては、国の基準に基づいて報告するように、お願いをしてきました。これを受けて、2月中旬に都が国の基準に基づき調査をし、2月下旬に報告をいただき、今般その基準に基づいて行っている。そういうことであります。

 ですから、全国の都道府県は、ほぼ国の基準に沿ってますが、そうでないところについては、国の基準に合わせてほしい、そうした指導をしております。

 ――PCR検査の全量検査は必要ないと当時おっしゃったが、認識は変わらないか。五輪開催にあたって、観客を入れるなら全員検査を行うべきではないか。

 首相 発症と重症化には、ワクチンは効果がある。ですから、一日でも早く国民の皆さんにワクチン接種をしたい。

 それと同時に、検査の充実、これも必要だと思います。先ほど私、最初のあいさつの中で、高齢者施設に対して集中的に、今月中に3万か所やる、と申し上げました。さらに、繁華街でモニタリング検査を実施する、こういうこともこれから大都市でやっていきたい。このように思っています。

 尾身 今回のワクチンはかなり有望なワクチンだと思います。私が当初予想していたよりも、比較的安全だし、いわゆる有効ですよね。重症化や発症予防。これが非常に重要で、それだからといって、よく分からないが普通の常識では、日本の人々の候補者になる人のおそらく90%が接種することはないでしょうね。仮に国民の7割が打ったとする。子どもは別にして。そうなっても私は、時々クラスターは起きると思います。

 なぜならば、ワクチンの感染力防止と同時に、30%は打っていないわけですよね。そういうことで、メッセージとしては、ぜひこのワクチンに関するリスクコミュニケーションは非常に重要で、同時にワクチンを打った人が、これからもどんどん増えますが、ワクチンを打ったからといって、基本的な手洗いやマスクをやらなくて良いということにはならない。仮に今年の暮れぐらいまでに、日本の希望者の6割、7割が打ったとしても感染は時々は続く。ゼロにはならないと思います。

 ワクチンを打ったからといって、全てが無防備というわけにはいかず、最低の基本的な感染対策は続ける必要があることは、ぜひ国のリーダーや、自治体のリーダーには、副作用の部分の問題をしっかり伝えると同時に、伝えていただければと思います。

 それから、検査の方は、無症状者が大事だというのがあります。今、非常に求められているのは、無症状者の中でも、いわゆる検査前確率、検査をすると、おそらくある程度高い陽性率が想像されるようなところには、集中的に頻繁に検査をやることが、感染対策上極めて有効だということが分かっています。

 そういう意味で、高齢者施設とか、今、岐阜とか、栃木でも行われていますけれども、ある自治体が、ご判断でこういう所が今までも感染リスクが高い、そういうところに集中的な重点的な検査をやるというのが、感染の全体のレベルを下げるために有効です。

 ワクチンを国民全員に接種するのは、理想的にはやったらいいと思いますが、それを1回やってもほとんど意味がありません。これを定期的にやるという、実際には理想ではありますけど、なかなか現実的には無理なので、今一番大事なのは、有症状は当たり前ですよね。無症状の中で特に感染リスクの高い所に、集中的に重点的に、しかも繰り返しやるということが、感染拡大防止にも役立つということだと思います。

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