楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
医療・健康・介護のコラム
式を行わない「直葬」が増加 一周忌、三回忌法要は激減…コロナ禍で「葬儀」が変わった
「コロナ禍で、葬儀業界では大きな変化が起こっています」と、直近1年の葬儀・法要のデータを公開したのは、「小さなお葬式」を運営するユニクエスト(本社・大阪)です。葬儀業界で最も葬儀受注件数が多い会社です(2021年2月・TPCマーケティングリサーチ調べ)。
コロナ禍で増えた直葬
直葬とは、式を行わず火葬のみ行う形式の葬儀です。「新型コロナウイルス感染拡大の第1波では、直葬が53%・一般的な葬儀が47%となり、直葬と一般的な葬儀の比率が初めて逆転しました。ここ10年ほどで葬儀の小規模化が進んではいましたが、3密になりやすく、高齢者の参列も多いことなどから、遺族の感染予防の意識が高まったことがうかがえます」(ユニクエスト広報担当・佐藤寛子さん)
第2波の後はコロナ前の比率に戻りつつありましたが、2回目の緊急事態宣言が発出された今年1月には、再び直葬の割合が49%にまで増えています。
集まるのは1度だけ 式中四十九日にニーズ
同社によると、一周忌法要と三回忌法要を行う人は大幅に減ったそうです。第1波の時は、一周忌法要が前年比63%減、三回忌法要も38%減。一方で、四十九日法要はほとんどの人が行い、前年を下回りませんでした。佐藤さんは、「地域によっては、四十九日法要を葬儀当日に行う『式中四十九日』の風習もあるようです。それをお客様にお伝えすると、『そういうやり方もあるのであれば』と当日に実施される方もいます。『四十九日法要はしたいが、集まる回数は少なく』というニーズがあるのでしょう」と話します。
喪主になる可能性がある人も多いシニアライフ世代、こういった一連の動きは知っておいた方がよさそうです。
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