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診療所でのワクチン接種、「密」回避の知恵は…「スペースの確保は頭が痛い問題」

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 4月から始まる新型コロナウイルスの高齢者向けワクチン接種で、多くの自治体で接種の場となるのが地域の診療所だ。予約の受け付けから接種後の経過観察まで新たな業務が加わるが、医師やスタッフの数は少なく負担が増す。「密」を避ける対策も必要で、課題は多い。(杉本和真、中瀬邦雄)

■スペース狭い

 

診療所でのワクチン接種、「密」回避の知恵は…「スペースの確保は頭が痛い問題」

ワクチンの個別接種会場となる予定の三尾院長の医院では、経過観察などを行うスペースの確保が課題だ(2月下旬、東京都葛飾区で)=高橋美帆撮影

 「小さい診療所だから、『密』となりかねない。スペースの確保は頭が痛い問題だ」。東京都葛飾区にある「 三尾みお 医院」の三尾仁院長(60)は明かす。

 1日に診る患者は乳幼児や就学前の子供を中心に40~50人。医師は三尾院長ひとりで、患者が多い時は平日の開院前や休診日にワクチン接種を行うことを考えている。予約の受け付けや接種後の国への報告など事務作業も増えるが、看護師3人と事務職員2人の態勢で対応することになる。

 ワクチン接種後は経過観察のため一定の時間、院内に待機してもらう必要があるが、スペースに余裕はない。15人ほどが座れる長いすを据えた待合室は、新型コロナ対策で利用人数を絞っており、診察室や受付裏の通路の一部も待合スペースに使っている現状だ。

 悩みは多いが、三尾院長は、個別接種は利点が大きいと考えている。かかりつけ医は日頃から患者の体調や暮らしぶりを把握しており、安心感を持って接種に臨んでもらえると期待するからだ。「ワクチンを打つことはコロナ前の日常を取り戻すことにつながる。各医院とも知恵を絞って対応するので、どうか接種を受けてほしい」と呼びかける。

■「対応難しい」

 

 高齢者へのワクチン接種は4月12日から限定的に始まる。4月下旬には全自治体にワクチンが行き渡り、本格化する見通しだ。診療所などで行う個別接種は住民が受けやすくなるといった利点があり、多くの自治体が取り入れるが、医療機関側の負担軽減が課題だ。

 人口約32万人の那覇市は当初、医療機関での個別接種と集団接種の割合を8対2とし、個別接種をメインに想定していた。しかし、地元の医療関係者に相談したところ、通常の診療に影響が出て対応が難しいという声が上がったという。

 このため市は、個別と集団の割合を4対6に変え、集団接種を増やすことにした。市の担当者は「普段の診療に影響するようなお願いはできない。早急に会場を決めたい」と語る。

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