教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
悪い夢をみないためには何をすればいい?
嫌な感情を断ち切る
Q 商談に遅刻した夢をみたんだ。冷や汗が出たよ。楽しい夢がみたいな。
ヨミドック ヒトは一晩の眠りで3、4回、夢をみています。よい夢もみているはずです。
Q え? 覚えてない。
ヨ よい夢は、穏やかな内容が多くて、忘れやすい。悪い夢は、印象的な内容が多いので記憶に残りやすいのです。
鮮明な夢をみている時は、脳の「 扁桃体 」の働きが活発になります。この部位は、情動反応の中枢で、特に否定的な感情との結び付きが報告されています。だから、嫌な夢もみやすいのです。
Q 悪夢はゴメンだよ。
ヨ 嫌な感情を断ち切り、気持ちよく眠ることです。夢の中身は、日中の出来事や感情に影響を受けますからね。
Q 何をすればいい?
ヨ 寝る前に気分転換やリラックスにつながる習慣を持ちましょう。ヨガや 瞑想 、ストレッチ。好きな音楽を聞いてもよいかもしれません。
これまでで一番うれしかったり、楽しかったりしたことを思い浮かべてから床に入ると、普段より悪い夢が減ったという研究もあります。
Q なるほど。
ヨ 寝付きをよくする生活習慣も大切です。就寝前4時間のカフェイン摂取や寝酒などを控えましょう。休日もできるだけ、いつもの時刻に寝て起きましょう。
Q 遅刻した夢をみた商談、来週なんだ。正夢にならないか心配だ。
ヨ 夢に出るぐらい大切に考え、最悪の事態に備えているのでしょう。夢が、「早めの行動が大切」と教えてくれたのでしょう。
Q そうか。前向きに受け止めればいいんだね。
ヨ 日中も不安や不快な気持ちが続いたり、集中力や記憶力が落ちたり、悪夢をみるのが怖くて眠れなかったりするなら、精神科医や睡眠障害の専門医の診察を受けましょう。
Q 病気ってこと?
ヨ 悪夢障害という病気があります。
神経伝達物質に関係する薬の影響で、悪夢が増えるおそれもあります。パーキンソン病や不整脈、高血圧、うつ病の薬などです。副作用の疑いがあれば、薬を変えれば改善する可能性があります。
(中島久美子/取材協力=小川景子・広島大准教授、山寺亘・慈恵医大葛飾医療センター精神神経科診療部長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
【関連記事】