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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

「痛い所に貼った」というおばあちゃん それは狭心症の薬です…血圧低下の危険 貼付薬は正しく使って

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「変形性関節症」「筋肉痛」「腱鞘炎」などに

 痛みに対するNSAIDsの医療用湿布薬としては、古くからサリチル酸メチルを含んだものが使用され、現在は、より強い効果を持つインドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナック、ロキソプロフェンなどを含む製剤が販売されている。口からの服用や注射に比べ、胃腸障害などの副作用は少ない。適応となる痛みは、「変形性関節症」「筋肉痛」「 腱鞘(けんしょう) 炎」「外傷後の痛み」などではあるが、ケトプロフェン含有湿布薬は「腰痛症」「関節リウマチ」にも適応がある。

 その他、痛みに対して用いる貼付薬としては麻薬や非麻薬性鎮痛薬を主成分としたTDDSもある。近年、鎮痛補助薬として用いられている抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不安薬などを含んだ貼付薬の開発も進められており、期待大である。

学会発表で困った 「湿布」の説明が通じない!

 30年以上も前のことになるが、私は、オーストラリアのアデレードで開催された「国際 疼痛(とうつう) 学会」で、このNSAIDs含有医療用湿布薬の効果についての発表を行ったことがある。サンプルに持参した湿布薬はあっという間に品切れ、各国のペインクリニック医師からの質問責めにあった、袋だたき状態である。何しろ、他の国では、そもそも湿布の文化がないのだから、たやすく説明できるものではないのだ。「あのね、湿布ってのはね」の説明が通じないのだ、冷や汗をかいた。

 これらのNSAIDsを含んだ医療用湿布薬は、薬局で買えば1枚約13~140円、健康保険を用いた処方では約3.6~16.5円程度(3割負担)。患者さんからは「薬局で買うたら高いやん、もっとくれたらええのに、ケチ」と言われる始末だが、健康保険の適応内で処方できる枚数にはおのずと限りがあります、上手に貼るようにしましょっか。(森本昌宏 麻酔科医)

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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