教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
チョコは体にいいの?…脳卒中リスク減る可能性
Q チョコレート、食べたくなっちゃった。
ヨミドック チョコは健康にもいいんですよ。
Q 本当に?
ヨ 市販の板チョコで言えば、1日2、3かけら食べる女性は、ほとんど食べない女性に比べて、脳卒中になるリスクが16%低かったとする国立がん研究センターの研究成果があります。44~76歳の男女約8万5000人を10年以上追跡したものです。2017年に発表されました。ただ男性では、脳卒中リスクが低くなるとの結果は出ませんでした =グラフ参照= 。女性に比べて甘い物好きが少ない男性は、「1日2、3かけら」も食べていなかったのかもしれません。
Q がっかりだ。そんなチョコもらっても、うれしくないよ。
ヨ 待ってください。血圧を下げる効果がありそうだとする国内外の様々な研究はあるんです。
Q そうでなきゃ。どんな成分が働いているの?
ヨ チョコは、南アメリカ原産のカカオの木の種子を発酵させたものが原料です。カカオに含まれるポリフェノールという栄養成分が働いていると考えられます。血管を拡張させる作用があり、血圧の低下につながると考えられます。動脈硬化や血管の詰まりなどを抑える作用も報告されています。それが血圧を下げることにつながっていると考えられます。

Q 男性もでしょ? よかった。
ヨ ですが……。チョコには気をつけなければいけない面もあるんです。
Q どういうこと?
ヨ カカオには脂肪分が多く含まれています。また、そのままでは苦いため、市販のチョコの多くは、砂糖がふんだんに入っています。このため、食べ過ぎると糖尿病や心臓病になるリスクが高まる可能性があります。
Q そうか。チョコ選びに注意しようっと。
ヨ 糖分少なめで、カカオが多く含まれているタイプがお薦めです。
ただ、いくら健康によい成分が入っていても、甘くておいしいチョコはあくまでも 嗜好 品。健康になりたいなら、バランスのよい食事、適度な運動が大切です。その上で、チョコッと楽しみましょう。
(加納昭彦/取材協力=磯博康・大阪大学教授、千葉剛・国立健康・栄養研究所部長)
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