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医療・健康・介護のコラム

[タレント・俳優 芋洗坂係長さん](下)重度の睡眠時無呼吸でバイク運転中あわや… 「太く短い人生」なのか? 

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 黒縁めがねに短いネクタイ、でっぷり突き出たまん丸おなかは、まさにメタボなサラリーマン。ところが、公称105キロの体重からは想像できない軽やかなステップでキレキレのダンスを披露しながら、珍妙な替え歌で爆笑を誘う。そんな、お笑い芸人として人気の芋洗坂係長さん。俳優、小浦一優さん(本名)としても、舞台やドラマで唯一無二の存在感を発揮しています。それにしても、キャラクター作りのためとはいえ、太りすぎは健康に心配がないのでしょうか。(聞き手・田村良彦、撮影・小倉和徳)

「太く短い人生でよろしいですね」と医師に告げられ

[タレント・俳優 芋洗坂係長さん]重度の睡眠時無呼吸でバイク運転中あわや… 「太く短い人生」なのか? 

 ――年齢も50歳を過ぎて、健康面の心配はないですか。

 人間ドックも受けていますし、定期的に通院していて3か月に1回、血液検査を受けています。中性脂肪だとかヘモグロビンA1c(血糖値の指標)だとか、今はだいぶ落ち着いてきています。実は、これまで一番大変だったのは、睡眠時無呼吸症候群です。

――どんな具合だったのですか。

 30歳頃から症状があったんですけど、夜にしっかり睡眠が取れないせいで、昼間に突然、眠気が来てしまうんです。ある時、バイクを運転している最中にうつらうつらしてしまって、後ろに乗っていた人から「寝るなよ!」と頭をたたかれて、危うく目を覚ましたこともありました。

 40歳になる前くらいに、受診して検査を受けたところ、重度の睡眠時無呼吸症候群と診断されました。睡眠中の酸素飽和度がかなり低くて、ほうっておくと命の危険もあると言われました。それ以来、睡眠中の呼吸の通りをよくする「CPAP(シーパップ)」という機器を装着して寝ています。

――健康のためを考えれば、お医者さんからは当然、減量を勧められるのでは。

 はい。糖尿病の改善のためには痩せるようにと、以前かかっていたお医者さんに厳しく言われたことがあります。ですが、仕事上、痩せてしまうわけにはいきません。すると、その医師から「そうですか。では、太く短い人生だったということでよろしいですね」と、冷たい口調で告げられてしまいました。

 その言葉がグサッと胸に刺さって、自分自身でも、この体で生きていくなら、そういうことになるかなと思いました。楽しい人生だったし、周囲にも「もう、俺、死んでもいいかもしれない」と漏らして、「そんなこと言わないでください」と心配をかけたこともありました。幸運だったのは、引っ越しをきっかけに、今の主治医の先生に出会ったことです。

――新しい先生とはウマが合った?

 とても明るく話をしてくださる先生で、冗談も好きで、自分も「もう死んでもいい」なんて思わずに、前向きに頑張ろうという気持ちにさせていただきました。本当はこの体のままでは良くないことは分かっているんですけど、今は定期的に通院して検査を受けて、先生が出してくれる薬をきちんと飲んで、健康を保つことを目指そうと考えています。

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