しあわせの歯科医療
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健康寿命が長い地域の男性は、歯医者さんによくかかる……京都大学の研究で明らかに
在宅医療が充実している地域では健康寿命が長い
――在宅医療が充実していると、女性では健康寿命が長いというのは、意外な感じがします。在宅医療というのは、健康寿命を終えた要介護の方に対応する診療所ですから、直接の関係はなさそうですが。
24時間対応する在宅療養支援診療所数が人口1万人当たり、1施設多い地域では0.2歳健康寿命が長く、訪問診療施設数が1施設多い地域でもやはり0.2歳長いという結果になりました。確かに、要介護者が対象の医療ですから健康寿命とは直接の関係はなさそうに思えます。ですが、24時間対応する診療所がある地域には、24時間対応の訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、緊急時の連携施設など、プライマリーケアから入院、リハビリまでの資源が整っている可能性が想定されます。地域の医療福祉体制の指標のひとつなのではないかと考えています。
男性も軽度な状態から、気軽に歯科も含めた医療の活用を
――今回の研究を通して、健康寿命を延ばすために重要だと思うのは、どういったことでしょうか。
健康寿命を延ばすには、どのような医療体制が必要か。リハビリを担う療法士や在宅医療などの体制は、地域によって大変にばらつきがあります。政策的にはそうした地域間の格差の解消が必要ということがひとつ。それと介護予防は早期から行い、歯科では、予防はもちろん、入れ歯やブリッジで補って噛める状態を作ることが大切だと思います。これまでの研究からも、男性の方が重症化してから医療や福祉サービスを受療する傾向が見られるので、そこは女性を見習った方がいいかもしれません。
細川 陸也(ほそかわ・りくや)
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻講師、保健師・看護師
2007年、三重県立看護大卒、大阪府に就職。09年、大阪市に転職。同市初の男性保健師として西成区を担当。健康格差や世代間の貧困連鎖を目の当たりにし、格差の解消や貧困の連鎖の防止に関する研究に取り組むため2012年に退職して京都大学大学院に進学。17年、博士後期課程修了。名古屋市立大大学院看護学研究科助教を経て20年4月から現職。
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