教えて!ヨミドック
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コロナで受診控え、処方薬を飲むのもやめたら…急激に悪化、入院した人も 正しく服用を
飲み方 薬剤師に相談
Q 持病で月1度通院していたけど、新型コロナが心配で、受診を控えているよ。
ヨミドック そういう人、多いですね。薬はどうしていますか。
Q 飲むのをやめた薬もある。体調に変化はないから大丈夫さ。
ヨ いけません。きちんと服用しないと急激に悪化する病気もあって、入院するケースが今、出ています。
Q 怖いね。実は、薬を飲み残すこと、結構あったんだ。
ヨ 医師に、正直に伝えていますか。
Q 無理だ。絶対怒られる。聞かれたら、「はい、飲んでます」と答えちゃう。
ヨ それでは医師は正確な診断ができません。薬が効いていないのかと、増量したり、強い薬に変えたりするかもしれません。日本の残薬の量は、年間数百億~数千億円分と推定されています。ものすごい無駄遣いです。医師に言いにくければ、薬剤師や看護師に話しましょう。
Q それでもいいの?
ヨ 大切なのは、服薬状況を医療関係者にきちんと伝えること。薬剤師は、患者が薬を適切に使えるよう手助けする役割があり、必要に応じて医師に問い合わせや報告もしてくれます。調剤時だけでなく、「調剤後の継続的な服薬指導」が、法改正で昨年から義務化されました。かかりつけの薬剤師を持つといいですよ。
Q 強い味方になるね。
ヨ 薬剤師は、残薬が出る理由を探ります。飲み忘れ防止には、その日の分を入れるポケットが付いたお薬カレンダーを使うと、家族やヘルパーさんもチェックできます。
仕事などで夜は服薬しにくいなら、朝1回にまとめてよい場合もあります。飲み忘れに気づいた時、どのタイミングで飲むかも薬ごとに異なります。副作用も含めて、薬剤師に薬の性質の説明を受けておくことが大切ですね。
Q 薬をたくさん飲んでいるんだ。ありがたいね。
ヨ 高齢者は複数の持病があり、薬の種類も増えがちですが、6種類以上を併用すると副作用が起きやすいというデータがあります。
お薬手帳を1冊にまとめて情報を集約し、薬剤師に服用薬のダブりなどをみてもらって、種類や量を減らせた例も多いそうです。
(小屋敷晶子/取材協力=秋下雅弘・東京大医学部教授、篠原久仁子・恵比寿ファーマシー代表取締役)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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