文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

メディカルトリビューン

メディカルトリビューン

1日1杯の飲酒でも心房細動リスクに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 ドイツ・University Heart&Vascular Center HamburgのRenate B.Schnabel氏は「たとえ1日1杯の少量飲酒でも、心房細動(AF)発症リスクが非飲酒者と比べて16%高まることが分かった」と Eur Heart J(2021年1月13日オンライン版) に発表した。飲酒量が増えるごとにリスクも上昇していた。(関連記事「 頻繁な飲酒は大量飲酒より心房細動リスク増 」)

アルコールの種類は関連なし

1日1杯の飲酒でも心房細動リスクに

※画像はイメージです

 大量飲酒の習慣がある人でAFリスクが高いことは知られている。しかし、少量の飲酒とAFの関連について、これまでの研究結果には一貫性が見られなかった。AFは脳卒中や心不全の発症と関連があり、AFを有すると全死亡率が2倍になると報告されている公衆衛生上の重大な問題である。

 そこでSchnabel氏らは、欧州5カ国(スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、イタリア)のデータから、登録時にAFがない10万92例〔年齢中央値47.8歳(範囲24~97歳)、女性51.7%〕を抽出し、少量の飲酒とAFの発症リスクについて検討。対象はBMI(中央値)が25.7とやや過体重気味で、アルコール摂取量(同)は3g/日であった。13.9年(同)の追跡期間中に5,854例がAFを発症した。

 Cox回帰分析を行ったところ、飲酒量はAF発症と正の相関を示し、非飲酒者に対する1日1杯(アルコール12g)飲酒者のハザード比(HR)は1.16(95%CI 1.11~1.22、P<0.001)で、AF発症リスクを有意に上昇させるカットオフ値は1日2gの習慣的なアルコール摂取であった。AF発症リスクは1日当たりの飲酒量の増加とともに上昇し、5杯(60g)以上ではHR 1.61(同1.35~1.92)となった (図) 。HRに性差は見られず、アルコールの種類(ビール、ワイン、蒸留酒)による差もなかった。

図.飲酒量と心房細動発症の関連

1日1杯の飲酒でも心房細動リスクに

(Eur Heart J 2021年1月13日オンライン版)

飲酒量低減がAFの予防と管理に影響

 Schnabel氏は「今回の大規模研究ではアルコールの種類によらず、飲酒量とAF発症に正の相関が見られた。少量の飲酒でもAF発症との関連が示され、他の心疾患危険因子やバイオマーカーとは独立した危険因子であった」と結論。「飲酒は修正可能な危険因子で、飲酒を減らす戦略はAF発症の多くを防ぐ可能性がある」と述べている。今回の研究では飲酒量とアルコールの種類は自己申告によるため、過少申告によるAFリスクの過小評価につながっている可能性があるという。

 カナダ・McMaster UniversityのJorge A.Wong氏らは、同誌の付随論評( 2021年1月13日オンライン版 )で「少量の飲酒でもAF発症と関連があるとの今回の結果は重要である。飲酒量の減少がAF再発の低減につながることを示した最近のランダム化比較試験(RCT)の結果と合わせて考えると、飲酒量の低減はAFの予防と管理の両方に影響することが示唆される」としつつも、「RCTによるさらなる研究が必要だ」と述べている。(慶野 永)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

medical-tribune-logo

メディカルトリビューン
メディカルトリビューン はこちら

メディカルトリビューンの一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事