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森本昌宏「痛みの医学事典」

 頭痛、腰痛、膝の痛み……日々悩まされている症状はありませんか? 放っておけば、自分がつらいだけでなく、周囲の人まで憂鬱にしてしまいます。それだけでなく、痛みの根っこには、深刻な病が潜んでいることも。正しい知識で症状と向き合えるよう、痛み治療の専門家、森本昌宏さんがアドバイスします。

医療・健康・介護のコラム

おしりが痛くて脚がしびれる35歳女性…「絞扼性ニューロパシー」はガードルやブーツも原因に

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前脛骨筋症候群 ブーツのひもの絞め過ぎでも

 坐骨神経は膝の裏辺りで 脛骨(けいこつ) 神経と総 腓骨(ひこつ) 神経に分かれる。この総腓骨神経の枝である深腓骨神経が、ふくらはぎで絞めつけられるとその外側に痛みを生じる。したがって、ブーツのひもの絞め過ぎなども原因となる。「前 足根(そくこん) 管症候群」とも呼ばれ、足の甲や親指、人さし指の痛みやしびれを引き起こす。

足根管症候群 長時間立っていると足の裏や指に痛み

 坐骨神経の枝である脛骨神経は、ふくらはぎの後方を走り、足首の内側へと回っているが、この脛骨神経が絞めつけられることで発症する。絞めつけられる部位は、足首の内側にある足根管である。

 長時間立っていると、足の裏や指に「 () けるような」痛み、「ピリピリ」「ジンジン」とする感覚異常を生じ、足根管部を軽くたたくことで痛みが誘発される。筋肉の 萎縮(いしゅく) をきたすこともあり、心不全や腎不全による脚のむくみ、痛風や関節リウマチによる関節炎が原因となっている場合もある。

 足根管内への局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬の注入が有効である。足首のギプス固定、足底板の着用、さらに重症例には手術も行われる。

 これらのニューロパシーは、神経を包んでいる外膜に変性が及ぶと回復が困難となることから、早期に診断し、圧迫を取り去るための対策を構じることが重要である。米国神経学会は、早期に電気生理学的検査を受けることを勧めている。でん部から脚の痛みに悩んでおられるあなた、ペインクリニックを受診されてはいかがだろうか?(森本昌宏 麻酔科医)

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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