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医療・健康・介護のコラム

脚の痛み(12)膝に慢性的な鈍い痛み「関節リウマチ」 薬で進行抑え込む

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  このシリーズでは、関節外科が専門で関西労災病院(兵庫県尼崎市)副院長の津田隆之さんに聞きます。(聞き手・長尾尚実)

脚の痛み(12)関節リウマチ 薬で進行抑制

 脚に痛みが出る病気の一つが自己免疫の異常で発症する関節リウマチです。手や脚の複数の関節に痛みや腫れなどの症状が出ます。国内の患者は60万~100万人と推定され、40~50歳代に多く、男女比は1対4です。女性に多い理由は、ホルモンや免疫の仕組みが関係すると考えられています。

 関節リウマチで痛む場所の代表が膝です。患者の7~8割で膝に痛みが出るとされます。変形性膝関節症の場合、歩行などで負担がかかると痛みますが、関節リウマチでは膝が常に腫れぼったく、慢性的な鈍い痛みがあります。

 関節の慢性的な腫れとはどのような状態なのか考えてみましょう。関節リウマチでは、関節を包む袋の内側にある滑膜に炎症が起きます。炎症で滑膜の細胞は次第に増加し、滑膜全体が肥大して、さらに周囲の軟骨も攻撃するようになります。慢性的な腫れは、炎症によって関節が壊れ続けているということなのです。

 薬物療法としては、抗リウマチ薬のメトトレキサートのほか、炎症を抑える抗体製剤も登場しています。近年、薬の効き目は格段に良くなりました。しかし、効きにくい人もいて、その場合は膝だと最終的に軟骨がほぼ失われ、骨が変形します。歩行時などに強い痛みが出るので、人工膝関節を入れる手術が必要です。

 手術をしても薬は一生飲み続けなければなりません。人工関節を入れた場所の痛みはなくなりますが、体全体の関節は常に炎症の危険にさらされています。薬で症状や病気の進行をかなり抑え込むことができますが、完治させる方法は確立されていません。患者さんは病気と長くつきあっていく必要があります。

津田隆之さん

【略歴】
 津田 隆之(つだ・たかゆき)
 三重県多気町出身。1982年、大阪大医学部卒、90年、同大学院修了。星ヶ丘厚生年金病院(現・JCHO星ヶ丘医療センター)整形外科部長、箕面市立病院医務局次長などを経て、2017年4月から現職。専門は関節外科、骨粗しょう症の疫学。市民向け講演会などで、脚の痛みを起こす病気や治療法、転倒予防について解説している。

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