宋美玄のわーままクリニック
医療・健康・介護のコラム
産後の女性は「人生で一番幸せ」?…本当は心身、環境とも危機的 男性育休の拡大を!
2021年になって早くも1か月。年始から、新型コロナウイルスがかつてないほど感染拡大し、ようやく感染者が減少してきているかもしれない様子ですが、ステイホームの時間が増えている方が多いのではないでしょうか。わが家でも、家にいる時間が増え、料理や掃除などの家事負担が増しました。夫はコロナファイターなので、常時、戦力としてカウントはできませんが、夫が休みの時は心身ともに楽です。やはり、ワンオペで家事育児をするのは、体力的にも精神的にもつらいですよね。
男性の取得促す育児・介護休業法改正案
男性育休についての議論が、だいぶ進んできているようです。2019年度の男性育休取得率は7.48%で、まだまだ普及しているとは言えませんが、先日はこのような報道がありました。
政府が、男性の育児休業の取得を促すため、子どもが生まれてから8週間以内に、合わせて4週間の休みを2回に分けて取得できるようにするほか、これまで1か月前までとなっていた育児休業の申請期限を、原則2週間前までに短縮する育児・介護休業法の改正案を、今国会に提出するというものです。法案では、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備のため、従業員への制度の周知を企業に対して義務づけるほか、大企業には、育児休業の取得率の公表を義務づけることなども盛り込まれているということです。
産後は身体的にダメージ メンタルも不安定に
男性育休については、こちらのコラムでも何度か取り上げていますが、私はもっと普及すると良いと考えています。
出産後の女性は、出産の方法のいかんに関わらず、身体的なダメージを受けている上に、エストロゲンという女性ホルモンが激減し、メンタルが不安定になりやすいのです。さらに、出産直後で一番疲れている時に頻繁に授乳をしないと、母乳がうまく出るようにならないメカニズムになっていて(もちろん、母乳をどれだけ与えたいかは、個人の希望によるべきです)、産後の女性は心身、環境ともに、とても危機的な状況にあります。それは「かわいい赤ちゃんが生まれて、人生で一番幸せな時」というイメージとはかけ離れており、男性を家庭に帰してあげることが母子の健康にとってプラスになると考えられます。夫婦で分かち合えば、幸せは2倍に、負担は半分になるでしょう。赤ちゃんにとっても、両親が、心身に余裕を持って接することで、よりたくさんの笑顔がもらえることとなるでしょう。
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