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医療・健康・介護のコラム

[女優 鈴木保奈美さん](上)男性と女性が無理に同じことをする必要はない。でも行動にふたはしない

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紋切り型の「両立」は……

 ――地域風土への適応力が、性格にも反映されるということですね。なんだか、説得力あるなあ。執筆されたエッセーを読んだときも、すごく手慣れた書き手だなと感じました。1本1本は決して長くはないけれど、序盤の伏線を回収したり、思わぬところでふっと笑わせたり。もともと、文章を書くのが好きだったようですね。

 小さい頃から好きでした。何かを記録したいという思いがずっとあったように思います。ストーリーを創作したりはできないんですが、「その日に何があって、誰が何をどうした」ということを、連綿と記録していくのが好きでした。毎日、必ず晩御飯のメニューを記録したり。

――夏休みの絵日記に燃えるタイプ?

 いや、絵日記は大嫌いでした(笑)。絵がダメ。日記もさほど熱心につけていたわけではありませんでした。

――では記録魔、ということかな。文章を書く上で、影響された作家はいるのですか?

 10代の頃には、村上龍さん、吉本ばななさんの作品が好きだったので、自分ではその辺の影響があるのかなと思っていました。ただ、小学生の頃に、自宅にあった獅子文六の小説「悦ちゃん」に出会い、とても好きになったんです。字が小さくて、きっちりした体裁の文庫本だったのに、読んでみたらすごくユーモラスで衝撃でした。一番影響を受けた作品だったかもしれない。主人公の三人称の視点で、少し堅苦しく描かれているのに、ところどころで、いきなり作者が現れて、突っ込みを入れるなど、ちょっとひねった文体なのです。

――なるほど。「獅子座、A型、丙午。」は、女性向きの内容かと思いきや、おっさんが読んでも、十分におもしろかったです。

 あ、よかった! おっさんにもいけますね(笑)。

――余裕でいけます(笑)。夫婦の関係にありがちな、家事分担の話も書かれていますね。とはいえ、昨今の「フェミ的」な切り口ではなく、家事の分担はするにしても、「やれるほうがやればいいんじゃない?」「そのときに気分よく過ごせるほうがやればいいんじゃない?」といった自然な合理性を感じます。その一方で、「女性の仕事と家事の両立」という言葉にはかなりはっきり反発していますね。

 紋切り型なメディアの言い方が嫌なんですね。「両立」という言葉以前に、「結婚しているのか」「子どもがいるのか」、そして「家庭と仕事を両立しているのか」が必ずセットで付いてくる。女性議員や女性役員など、働く女性を紹介するときに、「仕事」と「家庭」を使って、定型にはめ込む方法が好きじゃないのです。

 もちろん、情報としてそれらがあってもいいと思います。だけど、仕事をしている女性について、その二つの関連だけで理解させようとするべきではないとも思います。私も何かを伝える側、つまりメディア側の人間だから、演じたり、話したり、書いたりするときに、人を典型的なイメージにはめ込んで、「はい、出来上がり」としてはいけないと考えています。

――「両立」についても、「男女の役割を厳密に決める必要ないんじゃない?」というニュアンスを感じます。

 そう考えています。男性と女性は遺伝子的にも体格的にも、厳然とした違いがあります。無理して同じことをする必要はないですよね。得意なほう、向いているほうがやればいい。ただし、「得意ではないけど、自分でやってみたい」と考えたとき、「女だから」とか「男だから」と決めつけて、行動にふたをすべきではない。自由な考え方でいられたら、と思っています。

――多少、場当たり的であっても、そのときの便利や気分に沿った形で、柔軟にやっていければいいということですね。

 そうですね。やはり、家族であれ、仕事であれ、柔軟なコミュニケーションができる関係を作っていたいと思っています。

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