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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

下山進さん新著「アルツハイマー征服」 認知症の治療薬開発をめぐる人間ドラマ描く

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取材開始から18年後に本に

下山進さん新著「アルツハイマー征服」

 下山さんは1月27日、東京都千代田区の日本記者クラブで「『アルツハイマー征服』私はこう書いた」のテーマで記者会見し、本を書いた経緯や込めた思いなどを語った。

 下山さんはもともと、文芸春秋社で長くノンフィクションの編集者を務めるとともに、メディアなどを題材にした自身の著書で知られている。記者会見では、「科学は科学として独立して存在するわけではない」として、人間の思いをくみ取り、企業や経済、社会の関係の中に存在する科学を描くことは、「医療」や「経済」などに特化した記者ではなく、一人のフリーランスのジャーナリストである「自分にしかできないこと」ことと強調した。

 著者がアルツハイマー取材にのめり込むきっかけになったという、ある科学者との出会いから18年。本書は、アルツハイマー研究の歴史について読者の専門的な関心も満たしつつ、そこに関わる人間ドラマとして読み応えのある内容になっている。

 新型コロナウイルスのワクチンが、わずか1年足らずで開発されることへの現在の医療の進歩に驚きつつ、本書を読んで、何十年にわたって研究が続けられることの重みと困難を乗り越えようとする人々に改めて思いを及ばされた。新型コロナウイルス感染症の流行によって世界が翻弄(ほんろう)されている中、認知症をはじめとした多くの病気の治療法の研究開発が歩みを止めてはならないとの思いを強くした。(田村良彦 読売新聞専門委員)

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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