楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
医療・健康・介護のコラム
年金だけでは不安なあなたへ…定年5年前から始める「複業」生活のすすめ
定年後の起業は5年前から準備を
もう一つ大切なことは、起業した事業の「パトロン」の確保です。たとえば、会社員であれば、会社員としての自分が事業のパトロンです。事業が軌道に乗るまでには、時間がかかるものです。そのとき、収入の柱となる「給与収入」というパトロンがいると考えれば、気持ちの余裕も違ってくるでしょう。
事業の支えとなる収入源を他に持つという意味では、定年後、年金をもらいつつ事業を始めるのも同じように考えられます。「定年後の起業であれば、会社を定年になる5年ぐらい前から、そのための準備を始めるといいでしょう」と山下さん。会社員をしつつ数年かけて収益化できれば……というスピード感がいいそうです。
人に誇れるものがない…私でも起業はできますか?
「好きなこと」「長く続けてきたこと」が事業になりやすいそうです。けれども、山下さんのセミナーでは、「特にこれといって好きなこともないし、人に誇れる『長く続けてきたもの』もないんです。そんな私でも起業はできますか?」という質問が定番だとか。こうした人に、山下さんはこうアドバイスしています。
「一度、自分のキャリアストーリーを作ってみると、視野が広がり、情報やチャンスを拾いやすくなります。『私、今、こんなことに興味があるんです』ということを人に話してみることも大切です。人に話すことに抵抗がある人は、地域の男女共同参画支援センターやハローワークの相談窓口に足を運んでみるのもよいでしょう。また、行政が設定している講座は比較的安い料金で参加できるので、新しい知識を学ぶにはおすすめです」
資格や特技、資質を掛け合わせれば
私も地域にある男女共同参画支援センターの講座を検索してみました。「へぇ、こんな講座をやっているんだ」と、それだけでも世界が広がります。前回、 ウロウロすると頭の換気ができる と書きましたが、まさしく、そんな気分です。資格や特技、そして私の資質‥‥‥。それぞれは平凡でも、上手に掛け合わせることで、より私らしい仕事ができるようになるかもしれない。そう思うと、ワクワクします。このワクワクに後押しされて、少し行動してみようかな? そんな気分が楽しいですね。(楢戸ひかる マネーライター)
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