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WHO調査団の隔離終了、武漢で初の現地調査へ…中国政府の協力焦点

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 新型コロナウイルスの感染拡大の経緯や発生源を調べるため、中国湖北省武漢市に派遣された世界保健機関(WHO)の国際調査団が28日、2週間の隔離期間を終えた。29日から初の本格的な現地調査に入るが、中国政府から十分な協力を得られるかは不透明で、難航は必至だ。(武漢 吉岡みゆき、科学部 木村達矢)

WHO調査団の隔離終了、武漢で初の現地調査へ…中国政府の協力焦点

WHOの国際調査団の関係者らを乗せてホテルを出発する大型バス(28日、中国湖北省武漢市で)=片岡航希撮影

 日米欧の専門家ら13人の調査団は14日に武漢に到着した直後から隔離されていた。28日午後、隔離先のホテルからバスで別のホテルへ移動した。

 調査団は今後約2週間、初期に感染者が集中した「華南海鮮卸売市場」の関係者や、患者を治療した医療従事者から聞き取りを行う。WHOは昨年2月と7月にも調査団を中国に派遣したが、卸売市場などでの現地調査は実現していなかった。

 武漢で初めて新型コロナによる肺炎患者を確認したとされる2019年12月から1年以上が経過しており、「時間の壁」が最大の障害だ。卸売市場などで「発生源を見つけることは困難」(香港大のウイルス研究者)とみられる。

 米NBCテレビが調査団の一人の話として伝えたところでは、調査団の隔離中に行われたオンライン会議で中国側が、「これまで公表していなかったデータ」を開示したという。中国側がウイルスの起源解明に協力的な姿勢を見せているとも考えられる。だが、そもそも中国政府は、「発生源は中国とは限らない」と主張し、世界的な流行の責任追及を警戒しており、真意は見通せない。

 調査団は、米政府がウイルスの流出源である可能性を指摘した「武漢ウイルス研究所」の調査も重視する。研究所は13年、雲南省の鉱山に生息するコウモリから、新型コロナと遺伝情報が96%一致するコロナウイルス「RaTG13」を分離した。

 専門家の間では、「コウモリのウイルスが野生動物を介して人間に感染した」との見方が有力視される。岡山理科大獣医学部の森川茂教授(ウイルス学)は、「起源ウイルスを見つけるには、コウモリの大規模な調査が必要だ」と指摘する。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は、「今回の調査で答えが保証されているわけではない」と調査の長期化を示唆している。

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