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佐藤純の「病は天気から」

医療・健康・介護のコラム

寒さで悪化する緊張型頭痛、首・肩の痛み 予防には「三つの首」を温める

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 「天気痛」は「天気の影響を受けて生じたり、悪化したりする慢性の痛みがある」という病気の状態を指すとお話ししてきました。実は、天気痛以外にも、気象が直接に、あるいは間接に影響する疾病には様々なものがあります。これらの疾患を「気象病」と呼んでいて、うつ病、心臓病、脳卒中、メニエール病、ぜん息はよく知られています。

 現在は、地球温暖化の影響で平均気温が上がり、日本の気候も温帯から亜熱帯の気候に近づいています。このような気候の変化によって、夏の暑さがきびしく、熱中症の危険性が年々高くなってきています。また近年は、四季がなくなりつつあることも実感します。春や秋が短く、気温が急激に変化するようになってきました。身体の機能が気温差に追いつかないことで、季節の変わり目に不調を感じる人が増えてきたように思えます。とくに今冬は、例年にない寒波が早くから日本に到来したことから、気象病のリスクが高くなったと考えられます。

狭心症、脳梗塞…ヒートショックは屋内でも

寒さで悪化する緊張型頭痛、首・肩の痛み 予防には「三つの首」を温める

 冬の健康に最も影響するのは気温です。夜間から朝にかけて気温が大きく低下することで、健康に悪影響を与えます。狭心症と心筋 梗塞(こうそく) は心疾患の代表ですが、これらの月別の発症数をみると、12月から2月にかけて多くなっています。脳梗塞などの脳血管疾患も同じような季節性を示します。

 これらの疾患が冬に多いのは、急激に温度が変化することによる血圧の変動や血管の収縮が原因です。暖房の利いた暖かい室内から、急に寒い屋外に出た場合には、末梢の皮膚血管が収縮して体温を逃さないようにします。皮膚の血流が少なくなった分だけ、体の中心部を流れる血流が増加します。急に増加した血流が心臓や脳の血管に負担をかけ、発作が起きるのです。

 また、暖房によって、家の中でも場所によって温度のばらつき(寒暖差)が大きくなっています。一般的に、廊下、脱衣場、トイレなどは、屋内でも温度が低い場所です。このような場所へ無防備に出入りすると、急激な温度変化によって「ヒートショック」を起こし、心臓発作や脳卒中などの原因になってしまうこともあるので注意が必要です。

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佐藤 純(さとう・じゅん)

 愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
 1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛とうつう生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。

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