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演出家・作家 宮本亞門さん

一病息災

[演出家・作家 宮本亞門さん]前立腺がん(3)尿漏れの苦労 演出家として「必ず役立つ経験になる」

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 がんと診断された約2か月後、前立腺の全摘出手術が無事に終了した。術後の痛みはほとんどなかった。直後になかなか尿が出ず、 膀胱ぼうこう の圧迫痛に悩まされたぐらいだった。

 男性機能の喪失については、心配したほどの精神的ダメージを感じなかった。

[演出家・作家 宮本亞門さん]前立腺がん(3)尿漏れの苦労 演出家として「必ず役立つ経験になる」

 「聞いていた通りだったので、笑ってしまったほど。だから、関心を仕事に振り向けるようにギアチェンジしましたね」

 もう一つの合併症、尿漏れには苦労したものの、そちらは意外な副産物をもたらした。高齢女性の多くが悩む症状で、男性には理解しにくい困惑や恥ずかしさを実感することができた。舞台の上の物語を描く上で、必ず役立つ経験になる。

 さらに貴重だったのは、がん患者の心の中、周囲の反応を、当事者として体感したことだ。

 外を歩いていると、多くの人から「私も前立腺がんです」「夫が」「おじいちゃんが」と声をかけられた。すべてに共通していたのは、死への恐れだけでなく、「仕事は続けさせてもらえるのか」「特別な目で見られてしまうのでは」など、日々の生活や周囲の反応に対する不安だった。

 がんという病気の切実さを身をもって認識した。

 自分に降りかかり、乗り越えてきたことは、舞台演出家としての今後に、プラスの要素ばかりだった。

演出家・作家 宮本亞門さん(63)

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