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保健所、毎日が綱渡り…自宅療養中に死亡事例も

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神奈川県、応援職員でしのぐ

 新型コロナウイルスの感染者数が急増している神奈川県で、陽性判明者から体調や行動歴などを聞き取る保健所職員の負担が、東京都などのように限界に近づきつつある。15日には、聞き取りの順番を自宅療養で待っていた一人暮らしの70歳代男性が死亡していたことが判明した。県は、厚生労働省などから職員の応援派遣を受け、綱渡りの業務を続けている。

保健所、毎日が綱渡り…自宅療養中に死亡事例も

夜になっても明かりが消えない厚木保健福祉事務所大和センター(20日)

 県によると、死亡したのは、県中央部にある大和市の男性。10日に陽性と判明し、検査した医療機関が翌11日夜、県「厚木保健福祉事務所大和センター」に連絡した。同センターは緊急度の高い他の陽性者の対応に追われており、男性宅に初めて電話をかけたのは13日。だが連絡は取れず、15日夜に警察官らと男性宅を訪問し、遺体を発見した。

 県内の感染者は累計3万5000人を超えた。1都3県に緊急事態宣言が発令された1月7日以降の新規感染者は連日600~900人台の高い水準が続く。大和市と隣の綾瀬市を管轄する同センターでは、1日あたりの調査対象が昨年12月上旬までは10人未満で、保健師ら15人態勢で対応できていた。しかし、年末年始で状況が一変し、今月前半の対象者は1日平均67人。100人を超えた日もあった。

 保健師らの業務は多岐にわたる。医療機関から陽性判明の通知を受けて本人に連絡し、健康状態や既往歴、直近の行動、濃厚接触者の有無などを尋ねる。結果に応じて、宿泊療養・入院が必要と判断すれば、県の「搬送調整班」へ、自宅療養相当の場合は「地域療養支援班」へ、ヒアリングシートを添えて引き継ぐ。段階的に非常勤や大和市からの応援の職員が増員されたが過剰負担は深刻さを増している。

 大和、綾瀬市は交通の利便性が良い地域で、企業の工場なども多数立地する。アジア、南米系を中心に外国人労働者も多く、通訳を介した聞き取りでは、通常30分ほどの所要時間が1時間ほどに延びることもある。

 同センターでは、厚労省から派遣された保健師や看護師ら約20人に加え、訓練を受けた一部の事務職員も16日以降、聞き取り調査に当たっている。県の担当課は「重症化リスクの高い人に聞き取りをするので精いっぱい。県民には少しでも感染を防ぐ努力をしてほしい」と訴えている。

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