文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

ワクチン接種遅れるEU、生産態勢整わず…加盟国から不満噴出

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 【ブリュッセル=畠山朋子、ロンドン=広瀬誠】欧州連合(EU)域内で、新型コロナウイルスのワクチン接種が遅れている。生産態勢が追いついていないことや、各加盟国の態勢整備の遅れが主な要因とみられる。加盟国は独自にワクチンを手配するなど、足並みの乱れが目立ち始めた。

 英オックスフォード大などの統計によると、EU加盟国の18日時点のワクチン接種率は、ドイツで1・37%、フランスで0・74%にとどまる。国民の3割近くが接種済みのイスラエルや、米国の3・71%に後れを取っている。

 EU域内では、ファイザーと米バイオ企業モデルナのワクチンが承認済みで、欧州委員会は両社と、計最大7億6000万回分の供給を受けることで合意している。域内のワクチン接種率が他国に比べ低いのは、加盟国の需要に対し、生産態勢が整っていないことが要因とされる。ファイザーは15日、ベルギーでの生産設備増強のため、1月末までEU域内へのワクチンの出荷量を減らすと発表した。

 加盟国では不満が噴出している。ドイツは、ファイザーと独自に3000万回分のワクチン契約を結んだ。キプロスのアナスタシアディス大統領は10日の地元紙「ポリティス」(電子版)のインタビューで、イスラエルにワクチン供給の検討を依頼していることを明らかにし、「(EUの対応は)迅速かつ大量のワクチン接種には不十分だ」と批判した。

 ただ、接種センターの設置や人員確保など、各国の準備不足も指摘される。そうした態勢整備や国内での配送は加盟国それぞれの責任に委ねられている。

 接種の遅れにより、移動の制限などが続けば、経済活動回復の遅れにもつながりかねない。EUは21日、オンラインで首脳会議を開き、ワクチン接種の現状や、接種後の対応について協議する。一方、昨年1月にEUを離脱した英国は、EUより先行してワクチンを承認し、12月上旬から先進国で最初に接種を始めた。18日時点で接種率は6・65%に上る。

 英政府は、秋までにはすべての大人が接種を終えられるよう、接種ペースを週200万人に引き上げ、70歳以上など優先度の高い人々については2月中旬までの完了を目指している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事