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昼飲みに悩む居酒屋、大声で話す客らに店側「不安ある」「でも昼営業続けるしかない」

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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で、営業時間の短縮要請に応じて昼営業を行う居酒屋などが、日中の酒類提供に神経をとがらせている。飲酒した客が大声を出すなど感染リスクを高めかねないケースもあり、外食大手も昼の酒類提供で対応が分かれている。専門家は「感染リスクは昼も夜も変わらない」として感染防止策の徹底を呼びかけている。(藤原聖大、上田惇史)

声かけで

 「来てくれるお客さんには感謝しかありませんが、不安になる時もある」。JR新橋駅(東京都港区)近くで焼き鳥店を経営する男性(46)は、始めたばかりの昼間の営業について、こう語る。

 今月7日、東京、埼玉、千葉、神奈川に再発令された緊急事態宣言では、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて、午後8時までの時短営業が要請され、男性は午後5時だった開店時間を午後0時半に早めた。

 店は12席と狭く、以前から、客席に顔の高さほどの 飛沫ひまつ 防止シートを複数設け、入り口を開けて換気するなど感染防止に気を使う。しかし、酒が進むと大声で話す客もおり、「会話は控えめにお願いします」と声をかけることがある。

 都内では18日まで6日連続で1000人以上の新規感染者が確認されている。男性は「お客さん同士や自分が感染しないか不安もあるが、生活や取引先を守るためにも昼営業を続けるしかない。根気よくお客さんに声をかけ、安全に楽しんでもらいたい」と話す。

 JR赤羽駅(東京都北区)近くの焼き鳥店も開店時間を午後4時から午前11時に変えた。店長(32)は「感染者が出れば風評被害も含めて大変なことになる。お客さんと一緒に緊張感を持って営業するしかない」とした。

長時間滞在を回避

昼飲みに悩む居酒屋、大声で話す客らに店側「不安ある」「でも昼営業続けるしかない」

 政府は、飲食を通じて感染が広がっているとして、今回の宣言では、飲食店の午後8時までの時短営業(酒類提供は午後7時まで)を軸とする対策を打ち出した。

 一方で、「午後8時まで」が強調されたため、昼間の飲食や外出に対する危機感が弱まったという指摘がある。西村経済再生相も12日の記者会見で「昼間も含めて外出自粛をお願いしている。ランチはみんなと一緒に食べてもリスクが低いということではない」と強調した。

 

 幅広く休業要請が出された前回の宣言と違い、今回は日中に酒類提供を続ける店が多く、外食大手の対応も分かれている。

 牛丼チェーン「すき家」は、緊急事態宣言の対象地域や自治体からの要請を受け、22都府県の店舗で昼夜問わずアルコール類の販売を休止した。前回の宣言時と同様の対応で、長時間の滞在を避ける意味もあるという。運営会社の担当者は「感染防止に配慮しながら、従業員の雇用を維持し、需要にも応える必要がある」と説明する。

 ファミリーレストラン大手「サイゼリヤ」は宣言対象の11都府県などで、酒類の提供を全面中止とせず、要請通りに午後7時以降の提供を取りやめた。同様に酒類の提供時間を短縮した前回の緊急事態宣言時では、「1人ビール2杯まで」としたが、今回はそうした措置は講じていない。

 店では通常の感染対策に加え、客用に「食事用マスク」も用意。口元を覆う紙ナプキンを上げ下げして、食事ができる仕組みで、同社は「飛沫防止対策を取っており、前回の宣言時のような制限はしていない」としている。

 政府は会食時の注意点として、会話時のマスク着用や斜め向かいに座るなどを挙げている。

 二木芳人・昭和大客員教授(感染症学)は「時間に関係なく、ある程度の人数で飲酒などを伴う会食をすると、気が緩んで大声になるなど感染リスクは高くなる。飲酒や会食自体がダメなわけでない。食事は飛沫防止などの基本的対策を徹底し、少人数で静かに楽しんでほしい」としている。

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