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演出家・作家 宮本亞門さん

 メディアなどでお馴染みの芸能人、有名人だって、一人の人間として病気や心身の不調と向き合っています。苦しかった経験や、病によって気付かされたことなど、率直な思いをお聞きします。

一病息災

[演出家・作家 宮本亞門さん]前立腺がん(2)男性機能と目の前の仕事、どちらを犠牲に…悩んで選んだ「全摘」

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[演出家・作家 宮本亞門さん]前立腺がん(2)悩み抜いた末に全摘

 前立腺がんの治療には、手術、放射線、男性ホルモンを抑える内分泌療法などの選択肢がある。病巣を前立腺ごと全摘出する手術はもっとも確実だが、尿漏れや男性機能の喪失など、合併症が避けられない。

 治療経験のある知人からは「絶対に切っちゃダメだよ」とアドバイスされた。

 男性が男性であること。その重要さは理解できる。

 だが、主治医は手術を勧めた。がん細胞が前立腺の表面を突き破り、今にも転移してしまいそうな位置にあったからだ。

 もちろん、主治医からはホルモン療法についての説明も受け、放射線治療で有名な医療機関に第二の意見を聞きに行った。

 いずれも長期間の通院が必要になるという。しばらくは、海外での舞台演出の仕事が詰まっていた。

 男性機能か、直近の仕事か。どちらかを犠牲にしなければならない。心と体が引き裂かれるほど悩んだ末、選択したのは、手術による前立腺の全摘出だった。

 薬による男性ホルモンの抑制は、自分の精神面や作品に影響を及ぼすのではないか――。それが不安で、ホルモン療法を避けた。

 「手術による肉体的な機能の喪失なら、きっと克服できる」

 直近の仕事を優先したというよりも、自分の中身が、宮本亞門のままであることを選んだ。

演出家・作家  宮本亞門(みやもとあもん) さん(63)

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