街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
マスクができない、在宅と出社がある生活で混乱…発達障害とコロナ 「新しい生活様式」がもたらす困りごと
ヨミドクターをご覧のみなさま、サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は、コロナ禍における発達障害のある人の生活の変化について考えていきます。
変わった人、困った人と誤解され
発達障害とは、脳機能の発達に関係する障害で、人により発達のしかたに生まれつき凸凹があります。障害ごとの特徴が、それぞれ少しずつ重なり合っている場合が多く、障害の程度や年齢、生活環境などによっても特徴は異なることから、周囲から理解されにくいことがあります。
特性としては、人により、「周囲の人とコミュニケーションをとることや、対人関係を作ることが苦手」「こだわりが強く、突発的なできごとや予定の変更があると対応が難しい」「時間の感覚が身につきにくいことで、約束の時間に間に合わないことが多々ある」「音や光、においなどに対して過敏」「読み書きや計算が極端に苦手」「落ち着いてものごとに取り組むことが苦手」「メモをとることが苦手なため、大事な約束を忘れてしまう」などがあります。
このようなことがあるため、周囲の人から変わった人、困った人と誤解されることも多く、困りごとを抱えて日常生活を送っており、周囲の人の理解と生活環境の調整が必要です。
外出できない理由が理解できない子も
さらにコロナ禍において次のような困りごとも生じています。
- 感覚過敏があり、マスクが肌にふれることが不快で長時間マスクをすることができない。また、相手もマスクをしていることで、表情がわからず、さらにコミュニケーションが取りにくくなる。
- オンライン会議などで長時間パソコンの画面を見ていると、感覚過敏のため画面の明るさがストレスになり、相手の話に集中できない。
- 出社・登校する日と在宅勤務・自宅学習の日がある生活に慣れることができない。
- 発達障害のある子供には、外出できない理由が理解できない。
いまは誰もがストレスを抱えて日々を送っていますが、発達障害がある人は、さらに強いストレスを感じていることがあるのです。そんなときは、温かな雰囲気での見守りや声かけ、環境の変化に関する丁寧な説明があると助かります。
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