脊柱管狭窄症 手術で後遺症
脊柱管 狭窄 症で12年前に、神経を圧迫している所を切除し、人工骨で固定する手術を受けました。昨夏、腰の激痛で検査すると、手術の後遺症の「隣接椎間障害」との診断でした。治療法はありますか。(78歳女性)
薬で対処 痛み続けば手術も
白土 修 福島県立医大会津医療センター副病院長(会津若松市)
脊柱管狭窄症は主に加齢で背骨を形作る椎間板、椎間関節、黄色 靱帯 などが退化・変形・肥大して、神経の通り道の脊柱管が狭くなる病気です。神経が圧迫され、脚の痛みやしびれ、ひどくなると脚の筋肉のまひや排尿障害が起こります。
痛みやしびれは歩くと強くなり、休むとまた歩けるようになるのが特徴です。
手術では、まず神経の圧迫を取り除きます。骨がずれて不安定な場合に、固定術という方法を追加で行います。質問者が受けた椎体間固定術は、椎間板を切除し、代わりに自分の骨や人工骨を詰める方法です。
後遺症の隣接椎間障害は、固定術を行った部位の上下の椎間に起きる障害です。本来は動きのある椎間を固定してしまう分、隣り合う椎間にストレスが加わって発生します。椎間が狭くなって骨が変形し、再発する場合もあります。
痛み止めの薬による対処が一般的です。薬は種類が豊富なので、主治医と相談し、最も効果的な薬を使いましょう。急性の腰痛には、コルセットが有効な場合があります。慢性の腰痛には、運動療法が有効です。痛みが改善しない場合は手術も検討されますが、手術で治療可能かを検査してもらうことが大事です。