ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[タレント キンタロー。さん](上)まさか夫の精子が! 自分も12時間おきに自己注射…2人で挑んだ不妊治療、出産、そしてコロナ禍での育児
妊娠しても「無事に生まれるのか」と…
――そんな苦労があっただけに、妊娠の喜びは大きかったですか。
はい。でも生まれるまで、ずっと疑心暗鬼でした。SNSを見ると、他のプレママさんたちは、うれしそうに赤ちゃんの服を選んだり、専用の子ども部屋を準備したりしているんですが、私は無事に生まれるのか不安で、ウキウキした気持ちになれず、出産まで何も準備できませんでした。性格的なものもあると思います。
――出産は都内の病院で?
はい。もし両親が生きていたら、里帰り出産をしたかったですね。母親の存在って大きいです。いろいろ聞けたと思うし、実家は愛知なので、東京よりはのんびりできたと思います。
妹は11年に愛知で息子を産んでいますが、すでに母親もいない中、一人で頑張って、心細かっただろうと思います。生まれた後でお見舞いに行けましたけど、つわりも一人で乗り越えたんだから、すごいなと思いました。
古いアルバムに見つけた 亡き母の子育ての知恵
――今回は妹さんからアドバイスを?
そうですね。「赤ちゃん用に、こんなものいるかしら」なんて話したりしました。特にベビーベッドがいるのか、いらないのかって両論あるんですよ。
結局、買ったんですが、身長152センチのアラフォーにとっては柵が高くて、子どもの上げ下げがすごく大変。腰がつらいし、腱(けん)鞘(しょう)炎にもなりました。結局、買って2~3か月で、今度出産するっていう友人に譲っちゃったんです。
最近、仕事の関係で古いアルバムをめくったら、自分の0歳の頃の写真を見つけたんです。そうしたら、ベビーベッドの中に普通の敷布団を折りたたんで入れて、柵との高さの差を小さくしていました。最初は寝返りもうたないから、そんなアイデアもあったんだ、と。お母さんも40歳で私を産んだので、「生きていたら、きっと教えてくれただろうな」と思いました。遅ればせながら、母親からのアドバイスでしたね。
――ご両親が早く亡くなったんですね。
母は私が20代の頃に亡くなり、父は私の結婚を心配していましたが、間に合わなかったです。結婚報告できたのは妹だけです。
コロナのせいで出産後、妹も東京に来られないし、こちらも愛知に行きにくいので、まだ娘を抱っこしてもらってないんです。昨年の10月頃、そろそろ行こうかなと思っていたら、またドカーンと感染者が増えたり、飼い猫が体調を崩したりして、結局、会えずじまいです。
キンタロー。 1981年、愛知県岡崎市生まれ。大学では競技ダンス部に所属。社交ダンス講師やOLなどを経て、お笑い芸人に。AKB48の元メンバー前田敦子さんのものまねネタでブレイクを果たす。2015年12月に一般人男性と結婚、20年1月に長女を出産。
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