後閑愛実&ゆき味「看取りのチカラ」
医療・健康・介護のコラム
「看取りのチカラ」第11話 コロナ禍での最期
今後どう過ごしていきたいか 自宅での看取りも考えてみて
入院したら、次に会えるのは亡くなるときかも。人生の残り時間が短い時期に家族と離ればなれになり、最期を医療者だけが看取るということも少なくありません。
本人かご家族がコロナウイルス陽性者であったら、最期であったとしても、会うことも触れることもできません。新型コロナウイルス感染症は、命だけでなく、触れ合いや会話、大切な人との距離を奪う残酷な病気です。もしかしたら、これが最後かもしれません。そう思って、大切にいまを生きていただけたらと思います。
ご家族もできる限り感染を予防してください。感染対策をもう一度確認しましょう。手洗いと消毒はこまめに。3密(密閉、密集、密接)は回避。換気をし、大人数で集まるのを避け、ソーシャルディスタンスを保つ。「食べる」と「しゃべる」は分けましょう。食べるときは食べるだけ。しゃべるときはマスクをしましょう。複数人での会食は控えましょう。
健康に留意し、定期薬はしっかり飲みましょう。体調が悪かったら休みましょう。お願いばかりですみません。すでに十分しているという方、本当にありがとうございます。
家族と会えない期間が長くなってきて、患者さんの笑顔が減ってきました。私もご家族に会っていただきたい思いでいっぱいです。それでもいまは、病院では命が優先されます。
入院中の面会制限は、残念ながらしばらく続きそうです。もし可能であれば、ご自宅での介護や看取りを検討されてみませんか? 病院で過ごすにしても、最後に受けたい医療について、今後どう過ごしていきたいか、自分の大切にしていること、そこにはどんな思いがあるのか、たくさんたくさん家族で話し合っておきましょう。
それを医療者にも伝えてください。制限はありますが、その中でも、医療者は本人やご家族の希望に沿った支援を少しでもしたいと思っています。もちろん思い通りにはなりませんが、話し合っておかなければ到底思った通りにはなりません。(後閑愛実)
<今回のポイント>
・コロナに翻弄(ほんろう)されながらも、私たちはこの時代を生きていくしかない。「いまできること」を考え続けよう。
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