今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
医療・健康・介護のコラム
ベビーシャンプー入りの鼻うがい!? 界面活性作用でコロナ対策の可能性

茶カテキンで新型コロナウイルスが死滅するというニュースがありました。茶カテキンでコロナを死滅させることができても、鼻粘膜に直接振りかけることはなかなか困難です。コロナウイルスは外膜のある「エンベロープウイルス」ですから、せっけんのような水と油の中間の性質である界面活性作用を持つものであれば、すぐに死滅させることができます。アルコールが消毒に使われるのも、エンベロープ(外膜)を破壊するからなのです。
アルコール消毒、過信は禁物
ところで、せっけん手洗いとアルコール消毒のどちらが、コロナ対策には有効だと思いますか? 正解はせっけん手洗いです。エンベロープをせっけんで破壊し、水で洗い流した方が良いわけです。水にぬれた手にアルコールを吹き付けると濃度が下がり、消毒効果は落ちますし、手や物に唾液や汚れが付着していると、しっかりと消毒できません。唾液と一緒の状態では、消毒にかかる時間は6倍以上になるという研究もあるくらいですから、アルコール消毒だからウイルスが殺せるだろうという過信は禁物です。
マウスウォッシュも有効
昨年9月にアメリカで面白い研究が発表されました。新型コロナの代用として使われたコロナウイルス(HCoV-229E)をヒト細胞に感染させた状態で、市販されているマウスウォッシュ(洗口液)に浸すと、30秒で99.99%以上のウイルスが不活化したというのです。そんなわけで、コロナ対策でマウスウォッシュを使う場合は、最低でも30秒間うがいをしてください。
さて、このマウスウォッシュを使って、口のトレーニングをしましょう。マウスウォッシュを口に含んで、ブクブクと30秒間、口の中のあちこちに洗浄液が行き渡るようにうがいをしてみます。たった30秒と侮るなかれ。ほとんどの人はうがいを15秒もせず、吐き出しています。口を閉じて、しっかりブクブクとほっぺたを動かすと、口の中はきれいになるし、表情筋や口輪筋も鍛えることができます。一石二鳥の上流医療です。
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