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大橋博樹「かかりつけ医のお仕事~家族を診る専門医~」

医療・健康・介護のコラム

86歳の男性、気管支ぜんそく悪化の原因は妻の死……必要なのは悲しみのケア

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乳幼児健診、育児ノイローゼのお母さんの面談も

 会議が終わって14時に帰院すると、乳幼児健診が始まります。「ずり () いができないけど大丈夫?」「卵は早くから食べさせた方がいいの?」など、さながらお母さんの相談室のようですが、この日は保健師からの依頼で、育児ノイローゼの疑いのあるお母さんと面談し、メンタルケアの必要性を説明する場面もありました。お母さんの症状が強い場合、精神神経科の専門医の診察が必要な場合もあります。しかし、本人が拒否したら基本的には受診できません。私たちが子どもの主治医として、お母さんに受診の必要性をお勧めすることによって受診につながることも少なくありません。

寝たきりになった原因は薬がうまく飲めなかったから……訪問診療で判明

 15時には訪問診療へ出発します。今日は寝たきりの76歳女性を新規で診て欲しいとの依頼がありました。76歳で寝たきりとはちょっと早い。訪問すると、元々パーキンソン病で療養中であった方が、大たい骨 (けい) 部骨折で入院して手術を受け、自宅に戻ったものの、その後、パーキンソン病の内服薬がうまく飲めなくて、徐々に寝たきりになっていったということがご主人のお話でわかりました。つまり、薬が飲めていなかったのが問題でした。その後、薬の調整とリハビリで、車椅子に乗れるまで回復しました。

 夕方、クリニックに戻ると、包丁で手を切った患者さんが来院していました。15分で縫合処置は終了。19時まで息つく暇もなく一日が過ぎていきました。

 忙しい毎日ですが、診療内容は幅広く、仕事に変化があり、家庭医の仕事はとてもやりがいがあります。やりがいを感じるためにも、高い診療能力と医療だけでなく、介護や福祉の知識も必要で、毎日が勉強なのです。(大橋博樹 医師)

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大橋博樹(おおはし・ひろき)

多摩ファミリークリニック院長、日本プライマリ・ケア連合学会副理事長。
1974年東京都中野区生まれ。獨協医大卒、武蔵野赤十字病院で臨床研修後、聖マリアンナ医大病院総合診療内科・救命救急センター、筑波大病院総合診療科、亀田総合病院家庭医診療科勤務の後、2006年、川崎市立多摩病院総合診療科医長。2010年、多摩ファミリークリニック開業。

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1件 のコメント

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観察の重要性とワークフローの管理

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

僕の勘違いかもしれませんが、半分以上の判断や行為は医師どころか、医療者である必要もないことかもしれません。 言い換えますと、人間としての基本の情...

僕の勘違いかもしれませんが、半分以上の判断や行為は医師どころか、医療者である必要もないことかもしれません。
言い換えますと、人間としての基本の情報や心の動きを把握することが重要なのではないかと思います。
処方は医師権限でも、内服の実行までの実際は、剤型も含めて介護や看護との協調作業です。
また、趣味や日常動作との関連性もあります。
そういう話まで正確に聞き出すには普通の若手医師にはセンスと努力の積み重ねが必要なのでしょうし、全ての医師にそれが備わってない事はむしろ責められても困る気もします。
専門知識や技術に資格の習得が凄く重荷になっている現状と、昭和の昔に比べて、個別化された医学生の人生や医師キャリアが、世代や生育環境の違うことの多い患者や社会と病院を繋ぐストーリーや知識に比較的乏しい部分があって、そこをどうするかという課題があるからです。
医学的な病名は頭に入っていても、昔ながらのモノや言葉であったり、地域や時代ごとの生活習慣もあります。
実は昔もそうだったのかもしれませんが。

もう一つ見るべき点は、医学的知識との複合でトリアージです。
自分やチームでの介入が可能か不能か、可能ならどの程度可能か、急ぎか否か、どれくらい待てるか、がキーになります。
小児の中耳炎に伴う発熱の話でも、その推定診断で、その時刻や場所でやるべきことと、もしもその診断治療で想定外の症状が出た場合に、薬剤の変更や他疾患の合併も考えて、早い時間での紹介になっていくと思います。
こうやって文字にするのは簡単でも、認識の壁、人間関係の壁、その他、社会には色々な事があります。
それを知るためにも、他職種や他施設について知る必要があります。

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