リングドクター・富家孝の「死を想え」
医療・健康・介護のコラム
コロナ禍で、人生の始まりと終わりの仕事、産婦人科と葬儀場が窮地に
「今年は、産婦人科が危ない」と、病院関係者の間でささやかれています。コロナ禍で結婚する人が減り、さらに、出生数も例年以上に落ち込むことが確実だからです。すでに、少子化の影響で、産婦人科の縮小、閉院が進んでいます。地方では、近所に産婦人科がなくなって、妊婦さんが困っているところもあります。昨年は、それがコロナ禍でいっそう顕著になり、今年はおそらく産婦人科の縮小、閉院が激増するというのです。
昨年の出生数は過去最少となる見通し
一昨年の出生数は統計がある1899年以降、初めて90万人を下回る86万5239人となり、「86万ショック」と呼ばれました。それが、昨年は、1~10月までで73万3907人と、前年同期を約1万7000人も下回っているので、過去最少を記録するのが確実視されています。
コロナ禍で「家にいる」ことが多いので、一部に出生数が増えるという見方がありました。しかし、結婚式を挙げられなくなるなどで“結婚控え”が起こり、さらに“産み控え”も起こったのです。
事実、婚姻届出数、妊娠届出数は昨年5月以降、減少傾向です。その結果、2021年の出生数は前年比7.5%減の78万4000人まで落ち込むという推計があります。
1 / 2
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。