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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

医療・健康・介護のコラム

「心因性」とされた舌痛症 上咽頭の治療で症状が消えたのはなぜ?

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 インフルエンザにかかったり、風邪を引いたりした時、体のどこが痛みますか? 指をさしてみてください。多くの人が、首の中心部を指すと思います。ところが、そこに炎症はありません。脳の誤作動なのです。調べてみると、実に9割の人が、実際の炎症部位とは違ったところに痛みを感じているという報告があります。では、風邪の時の本当の炎症部位はどこでしょうか。

鼻の奥に炎症があるのに、のどが痛む不思議

 新型コロナウイルスのPCR検査は当初、鼻の奥に綿棒をいれて検体を採取していました。インフルエンザ検査でも同じようにします。鼻の奥の、あの部分を上咽頭と言います。そう、実際に炎症が起こっている上咽頭から検体を採取するのです。ところが、鼻の奥が痛むのではなく、首の中心部が痛いとはどういうことでしょうか。

 これは痛む体の部位と、原因となっている部位が違っているのかもしれません。たとえば、心筋 梗塞(こうそく) につながる狭心症の症状として、胃痛、歯痛・あご痛、手指のしびれなどが起こることもあるのです。これは症状のフェイクニュースですね。ですから、症状の起こった部位だけに注目しては、本当の原因を見逃してしまうことがあるのです。

「心因性」とされた舌痛症 上咽頭の治療で症状が消えたのはなぜ?

皮膚疾患や舌痛など様々な症状に悩まされる

 50歳のYさんは皮膚疾患である 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう) とめまい、 舌痛(ぜっつう) など体のあちこちの症状に悩まされています。高血圧、うつ病でも治療を受けていて、何だかとても体も心もキツそうです。今回は、この舌痛に焦点を当てましょう。口の中にある舌の痛みですから、多くの人は、まず歯科医院を受診します。Yさんも歯科医院、それから、めまいもありましたから耳鼻咽喉科を受診しました。それでも原因が見つけられません。

 もちろん舌に炎症があったり、動きが悪かったりすることもありません。それでも舌が痛むのです。ここが痛いという、はっきりと場所を特定できるような痛みではなく、大まかにこの辺りが痛むという程度です。

舌痛症 原因はっきりしないと「心因性」に

 こんな時は舌痛症と診断されますが、原因として全身の病気や栄養不良、ヘルペスなどの感染症から来るもの、歯科金属が当たってこすれたり、舌をかんだりするクセなどによって起るものなど様々なことが考えられます

 詳しく調べても、これらに当てはまらないときは「心因性」、つまり精神的な問題で引き起こされると捉えられて、抗不安薬や抗うつ薬が投与されているケースが散見されます。もし、この舌痛が「脳の誤作動」によるものだとしたらどうでしょうか。Yさんも、そのうちいろいろな症状に悩まされるため、うつ病と診断されて抗うつ薬の投与を受けるようになりました。ところが、それでも改善しないために相談に見えたのです。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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