スポーツDr.大関のケガを減らして笑顔を増やす
医療・健康・介護のコラム
体への負担を軽減し、元気に坂道、山道を走るためのトレーニング法とは
ランニングやマラソンに多い下肢の障害として、膝の痛みである 鵞足炎『「いだてん」を見て走り始めたけど、膝が痛くなった…治療と再発防止のカギは?』 、足のうらが痛くなる足底腱膜炎 『今年はランニングを開始する!』 、すねが痛くなるシンスプリント 『マラソン選手に多い「すねの痛み」の正体』 などをこれまでに紹介してきました。ほかにも様々な故障の可能性があります。その時の身体コンディションに見合った練習量を、実践しながら見つけることが大切です。
それでは、Hさんの経過です。
トレーニングジムに入会し、アスレチックトレーナーに体をチェックしてもらいました。体幹の弱さを指摘されたほか、片脚で立った時の安定感が左右で異なり、また股関節可動域が狭いこと、それに足の外側で着地していることなどの指摘を受けました。自宅でできるトレーニングメニューを作ってもらい、強度や内容を段階的に更新しつつ、ランニングも重ねていきました。トレイルランニングの大会まで痛みが出ることなく練習を続け、大会では自分の満足できる走りをすることができました。
アスレチックトレーナーはけが予防のプロ
今回は、けが・故障をする前の話をさせていただきました。私はドクターという立場上、けがや故障をしたアスリートを診ることが多いのが現状です。しかし、けがを予防することも極めて大切です。アスレチックトレーナーは、スポーツ現場に一番近いところにいる体の専門家で、けがや故障を予防するためのノウハウを持っています。しかし、チームに専属のトレーナーがいるケースは多くはないでしょう。また、このコロナ禍では、直接、指導を受けることをためらう方もいるでしょう。
しかし、現在、オンラインでレッスン行っているアスレチックトレーナーも多く見つかります。全国どこにいても、レッスンを受ける機会ができたと考えられますので、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
けがや故障が少ない2021年になるといいですね。(大関信武 整形外科医)
【スポーツ医学検定のご案内】
私たちは、スポーツに関わる人に体やけがについての正しい知識を広めて、スポーツによるけがを減らすため、「スポーツ医学検定」を実施しています。スポーツ選手のみでなく、指導者や保護者の方も受けてみませんか(誰でも受検できます)。
第9回スポーツ医学検定は2021年5月30日(日曜)に開催予定です。詳細は スポーツ医学検定HP にて案内いたします。
本文のイラストや写真の一部は、「スポーツ医学検定公式テキスト」(東洋館出版社)より引用しています。スポーツに関わる様々な人からスポーツのけがに対する考えを掘り起こし、多様な視点でスポーツ医学や安全について考える note もぜひご覧ください。
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