町田忍の昭和回想
回想サロン
歌合戦 見つつ一家で すする蕎麦
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
年越し蕎麦


大晦日に「年越し蕎麦」を食べる習慣が続いている。昭和30年代、我が家における年越し蕎麦は、近所のお蕎麦屋さんからの出前だった。家族4人分のお蕎麦は漆塗りの丸い木の蓋がされ、年越し蕎麦の時のみ使用される「掛け紙」=写真=を使っていた。NHK「紅白歌合戦」を見ながら、出前の年越し蕎麦を食べるのが我が家の年中行事だった。
ちなみに、なぜ年越し蕎麦を食べるのか?である。蕎麦のように細く長く生きることを祈願するという説が有名だが、金細工の職人は床や畳などに落ちた金粉を練った蕎麦粉で集め、その金代で畳などを新しくしたために「お金が入る」という縁起からという説もあるという。
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