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「円錐角膜」の早期発見…乱視悪化防ぐ治療 登場

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 黒目を覆う角膜がゆがみ、薄くなる病気があります。 円錐えんすい のようにとがることから、「円錐角膜」と呼ばれています。10~20歳代で発症しやすく、強い乱視が特徴です。近年、悪化を防ぐ治療が登場し、早期発見が重要になりました。(中島久美子)

「円錐角膜」の早期発見…乱視悪化防ぐ治療 登場

  体質が関係か

 円錐角膜の患者は、国内では疑いも含めて100人に1人との調査もあります。原因は不明です。

 アトピー性皮膚炎やダウン症、睡眠時無呼吸症候群の人に多く、体質が関係していると考えられています。目を頻繁にこする人は悪化しやすいようです。何となく見えづらいと感じているうちに、物が何重にもなったり光が流れたりといった見え方になります。角膜が原因の乱視です。

 初期にはコンタクトレンズで矯正できます。角膜の突き出た部分に合う専用のレンズもあります。目の水晶体の前にレンズを挿入したり、半月状のプレートを角膜に埋めて変形を防いだりする治療もありますが、悪化すれば効果は低下します。専用のコンタクトが角膜とこすれて痛み、ずれ落ちるようになると、角膜移植が必要になります。

 症状が進行中の患者を対象に、ドイツの大学が2003年に「角膜クロスリンキング」という新たな治療を開発しました。ビタミンB2を成分とする「リボフラビン」を点眼した後、角膜に紫外線を照射します。角膜を構成する線維の結びつきを強め、変形を防ぐ効果があります。

 治療を受けた患者24人の10年後を分析した結果が、15年に報告されました。症状が重いほど大きくなる角膜のカーブの数値を治療前と比較すると、進行が食い止められていました。角膜クロスリンキングは米食品医薬品局(FDA)が承認しており、日本では07年から実施されています。

 この治療に詳しい南青山アイクリニック東京の眼科医の加藤直子さんは「進行を止めることで、円錐角膜のハンデを感じずに生活していくことができます」と意義を語ります。

  重い経済的負担

 川崎市の団体職員の原祐介さん(46)は中学生の頃に円錐角膜と診断されました。17年4月に角膜クロスリンキングを受けましたが、左目は角膜の厚さが足りず治療できませんでした。その後、右目の症状の進行は抑えられていますが、専用コンタクトを長時間使うと両目とも痛みます。自宅では裸眼で過ごしており不自由だといいます。

 角膜移植以外は公的医療保険がききません。このため、日本円錐角膜患者会のアンケートでは「治療で多額の借金を負った」との声も寄せられています。原さんも右目の治療だけで20万円を要したといい、「症状が軽い若いうちに治療を決断できるように経済的負担を軽減してほしい」と訴えます。

 円錐角膜に気づくポイントは〈1〉1年ほどで視力の低下が急に進んだ〈2〉左右の視力差がある〈3〉街灯の光が重なって見える――などです。一般の眼科で検査を受けて、角膜が原因の乱視が強ければ、精密検査ができる専門の医療機関を受診しましょう。専門の医療機関は円錐角膜研究会のウェブサイト( https://keratoconus.jp )に掲載されています。

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