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楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」

医療・健康・介護のコラム

変わってきた55歳の「定年前研修」 再雇用後の待遇にも差がつく時代に?

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会社任せではないキャリア形成

 国の施策の「 セルフ・キャリアドック制度 」も、こうした動きの一環と考えた方が自然です。セルフ・キャリアドック制度とは、簡単に言えば、企業が従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する仕組みです。「組織による労働者のキャリア形成」から「労働者自身によるキャリア形成」へ、つまり「自分のキャリアは、各自で主体的に考えて下さい」という方向に、国は (かじ) を切っているのでしょう。

「ウロウロ」して、頭の換気を始めよう!

 新卒で入った会社に定年まで勤め、その後は悠々自適の人生を送る。そんなライフモデルが、崩れつつあるのは事実でしょう。では、どうしたらよいのでしょうか? この連載を通じて、それを探していきたいと思っていますが、初回は私自身の体験を書いてみます。

 私が新卒で入った会社は、大企業でした。当時は寿退社・子宝退社が当たり前の時代です。部長秘書をしていた私は、「結婚はともかく、妊娠をしたら退職しなきゃいけないのだろうな」と、その会社での将来像が全く描けずに 悶々(もんもん) としていました。

 子供を産んでも続けられる仕事にたどりつきたくて、会社に勤務しながら、学校に通ったり、資格をとったりと、思いついたことをやってみた中のひとつに、女性誌の読者モニターがありました。やがて編集部から、誌面作成のためのアンケート配りや読者座談会のメンバー集めなどを頼まれるようになり、それがライター業につながりました。「気になること」「好きなこと」の周辺に、まずは身を置いてみることは大切だなと、今は感じます。

 私は、それを「ウロウロする」と表現しています。ウロウロすると、風穴が開くんです。風穴が開くと、思考に風が入ってきます。最初は、頭の換気をするくらいの気持ちで十分!

 取材を続けていて思うのは、世の中には様々な知恵を持った人が、本当にたくさんいるということです。好奇心の赴くままに、ウロウロしてみる。頭の換気をすると、新たな視点、新たな誰かに、出会いやすくなるのでは? それは、会社員を卒業するための準備運動になるのだと思います。(楢戸ひかる マネーライター)

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

過去コラムはこちら

40代から備えよう「老後のお金」

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