後閑愛実&ゆき味「看取りのチカラ」
医療・健康・介護のコラム
「看取りのチカラ」第10話 緩和ケアの誤解
医療と関係のないことでも相談を
その医療を受けなければ、そのとき亡くなっていたかもしれないという点では、医療はすべて延命と言えます。医療は、後から振り返って「あのとき死ななくてよかった」と、その後を幸せに生きるための手段の一つです。それが、いつの間にか、「医療を受けること」「延命すること」そのものが目的になってしまったことで、おかしくなっているように感じます。何を幸せに思うかは人それぞれ違います。日頃から話し合いをしておきましょう。
体は衰弱して限界が近くても、緩和ケアがうまくいくと、割と最期まで動くこともできます。「昨日まで話すことができていたのに、こんなに早く逝くなんて思いませんでした」と、家族から言われたことがあります。家族からすると元気に見えていたので、まだまだ生きられると思われたのかもしれません。
気持ちのすれ違いがおきないようにするためにも、不安なことや、「いま自分はこう思っているが、現状はどうなのだろうか」など、医師や看護師らと話をしてみましょう。医療に直接、関係のない、ささいなことでも構いません。医療者の側も、本人と家族に、最期まで穏やかな気持ちで過ごしてほしいと願っていますから。(後閑愛実)
<今回のポイント>
・病気と医療とは、うまく付き合っていこう
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