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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

脚の痛み(9)退院後は太ももを鍛えて

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 このシリーズでは、関節外科が専門で関西労災病院(兵庫県尼崎市)副院長の津田隆之さんに聞きます。(聞き手・長尾尚実)

脚の痛み(9)退院後は太ももを鍛えて

 リハビリを終えて退院したら散歩を心がけてください。入院前から、膝の痛みで歩けなかったり、足を引きずるように歩いたりしていたため、太ももの筋肉量が落ちています。歩くのに重要な筋肉なので徐々に鍛えていきましょう。

 太ももの筋肉には体を持ち上げ、安定させる働きがあります。運動量が減ると、まずこの筋肉が衰えていきます。階段を下りる時に筋力不足で脚がぐらつくため、患者さんはよく「そのまま落ちる感じがして怖い」と訴えます。

 散歩のほか、プールでの水中ウォーキングや自転車こぎがお薦めです。ゆっくりとお尻を下ろして元に戻すスクワットも有効で、膝を90度以上曲げないようにして5、6回繰り返します。これを1日3回です。安全のため椅子やソファの前で行いましょう。

 膝への負担のかけ過ぎには注意してください。ハイキング程度は問題ありませんが、ジョギングなど激しい運動は控えましょう。床に膝をつく体勢は、 膝蓋骨しつがいこつ (膝のお皿)がずれる原因になり得るので良くありません。

 膝関節の場合、手術後も痛みが残ってしまう人や違和感を覚える人が一定数います。 靱帯じんたい や関節を包む組織など残さなければならない部分があるためで、人工股関節手術と比べて治療成績は少し劣ります。手術を検討する際、そうしたリスクも考慮してください。

 脚の関節の痛みは、急に症状が出たら安静にするのも治療の一つです。体重をかけると電気の走るような鋭い痛みがあれば、数日間は意識してとにかく動かず、静かに過ごす。今やらなくてもいいことは後回し。これで痛みがなくなったら再び歩いてみましょう。

津田隆之さん

【略歴】
 津田 隆之(つだ・たかゆき)
 三重県多気町出身。1982年、大阪大医学部卒、90年、同大学院修了。星ヶ丘厚生年金病院(現・JCHO星ヶ丘医療センター)整形外科部長、箕面市立病院医務局次長などを経て、2017年4月から現職。専門は関節外科、骨粗しょう症の疫学。市民向け講演会などで、脚の痛みを起こす病気や治療法、転倒予防について解説している。

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