教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
鼻毛は抜いてもいいの?
出ている部分だけ切る
Q いやだぁ。鼻毛が伸びている! カッコ悪いから抜いちゃおうかな。
ヨミドック 待ってください。抜いてはいけません。
鼻は空気の通り道です。吸った空気には、ゴミやほこり、ウイルスなどがたくさん含まれています。鼻毛は、鼻の入り口で大きなゴミなどを捕らえてくれます。捕まえられなかった異物は、鼻の粘膜に生えている細かい毛の働きで排出されます。鼻毛は、フィルターのような役割をしていて、とても大切です。
Q 少しぐらいなら、いいでしょ?
ヨ 無理やり抜いてしまい、鼻毛の根元に病原体が入ると、炎症が起きて腫れてしまいます。腫れが、目立つほど大きくなることもあり、痛みも伴うようになります。
細菌によって炎症が起きてしまった時は、抗菌薬を使います。ただ、抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」の場合は、なかなか治りません。
Q そっちの方が嫌だね。でも、鼻から、毛が出ていると気になる。
ヨ 出ている部分だけ、ハサミや鼻毛カッターで切りましょう。でも鼻の中の皮膚に鼻毛カッターを押しつけるようにして切ったり、除毛用のクリームなどを使ったりするのはやめましょう。
Q どうして?
ヨ 鼻毛が短くなりすぎると、異物が入ってくるのを防げなくなってしまうからです。それに鼻の中も乾燥しやすくなります。
Q 大変だ。
ヨ そうしたことを防ぐには、なるべく鼻で呼吸することを心がけましょう。
鼻から空気を吸えば、ほこりなどを取り除いてくれるだけでなく、空気が鼻を通り抜ける間に暖められ、乾燥している時なら湿度も適切な状態にしてくれます。
Q きれいになった空気が体内に入るんだね。
ヨ 肺に負担がかからないようにしてくれるのですよ。風邪やインフルエンザなどにかかるリスクを減らすことにもつながります。
しかし、鼻毛が短かったり、全くない状態だったりすると、こうした機能が十分に果たせなくなる可能性があります。ですから鼻毛をお大事に。
(利根川昌紀/取材協力=石井正則・JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長、渡辺千寿子・ステラ耳鼻咽喉科院長)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
【関連記事】