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ペットと暮らせる特養から 若山三千彦 

医療・健康・介護のコラム

特養の人手不足解消へ、逆に職員配置数を増やすべきと考える理由

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 介護保険制度は3年に1度改定されることになっており、来年春が改定の年です。そのため、最近は介護報酬改定(※介護報酬とは、介護事業所に国から支払われる介護の費用のことです)と、介護職員の処遇改善に関する有識者の意見が報道されることが増えています。介護職員の処遇改善の必要性を多くの人が主張してくださるのは、とってもうれしいことです。

介護報酬改定 給与面、労務面の次に重要なこと

特養の人手不足解消へ、逆に職員配置数を増やすべきと考える理由

 ただ、特養の現場の経営者として気になるのは、介護職員の給与面、そして残業や有給休暇、研修などの労務面の改善ばかりがクローズアップされていることです。いえ、もちろん一番重要なことは、給与面と労務面の改善であるのは確かなのですが、その次に重要なことに触れている意見が少ないのは気になります。

 そこで今回は、「ペットと暮らせる特養」というテーマから離れ、一現場の意見として、介護職員の処遇改善について話させていただきます。ただし、私は有識者ではありませんし、社会福祉や社会保障の専門家でもありません。あくまで、一個人の意見としてお読みいただければ幸いです。

職員の離職は、劣悪な介護への疑問も理由

 介護職員の離職率は高い、とよく言われています。それは事実です。理由は、まさに給与面と労務面にあるのですが、もう一つ大きな理由があると私は感じています。それは職員の少なさ故に、十分な介護ができないこと。つまり、職員にとって望ましくない劣悪な介護をしなければいけないことです。世の中の多くの介護職員が、「これでいいのか」と疑問を感じながら業務を行っていると思います。その悩みが深まり、人として耐えられなくなると介護職員は辞めてしまうのです。

 こう述べると、「それはお前の施設が悪いだけだろう」と言われてしまうでしょう。その通りです。私の施設もいろいろな意味で至らないところばかりで、改善しなければいけないことは多々あります。赤字経営なので、改善しようにも資金がないことは言い訳にならないこともわかっています。それは、私が解決しなければいけない義務です。

 ただ、多くの福祉施設経営者が私と同じことを感じているのは事実です。

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若山 三千彦(わかやま・みちひこ)

 社会福祉法人「心の会」理事長、特別養護老人ホーム「さくらの里山科」(神奈川県横須賀市)施設長

 1965年、神奈川県生まれ。横浜国立大教育学部卒。筑波大学大学院修了。世界で初めてクローンマウスを実現した実弟・若山照彦を描いたノンフィクション「リアル・クローン」(2000年、小学館)で第6回小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。学校教員を退職後、社会福祉法人「心の会」創立。2012年に設立した「さくらの里山科」は日本で唯一、ペットの犬や猫と暮らせる特別養護老人ホームとして全国から注目されている。20年6月、著書「看取みといぬ文福ぶんぷく 人の命に寄り添う奇跡のペット物語」(宝島社、1300円税別)が出版された。

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2件 のコメント

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欧州でも同じです

おしどり

明けましておめでとうございます。欧州在です。 こちらでも、正に、若山様が書かれていることが議論されています。老人ホームの人手不足はここでも深刻で...

明けましておめでとうございます。欧州在です。
こちらでも、正に、若山様が書かれていることが議論されています。老人ホームの人手不足はここでも深刻ですから。労働条件アップの労働組合デモ等もあるのですけど、給料アップや残業ダウンなどは要求していない。それも、もちろん課題だけれど、一番の問題は、今の人数では、自分たちがしたい看護、入居者の人権を守れる看護はできない、もっと一人一人の入居者に時間が必要だ、と。自分たちの仕事に誇りを持てないなら、お金のためだけに働くのなら、他の職業を選ぶよ、と。
やる気があるし、正義感があるからこそ、むなしくなって、離職してしまうんですよね、なので、もっと人手不足になる、という悪循環。
若山様の言っていることは間違っていないと思います。

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介護は本来、すばらしい仕事

みるく

介護はやりがいのある仕事と思い、やりたいと思っています。でも最初の一歩を踏み出せない理由がまさに、記事にもある「劣悪な介護をしなければいけなくな...

介護はやりがいのある仕事と思い、やりたいと思っています。でも最初の一歩を踏み出せない理由がまさに、記事にもある「劣悪な介護をしなければいけなくなってくるのだろうな…」という懸念です。

今の介護の世界の現状、おかしいですよね。劣悪な環境の中、それでも頑張っている職員の皆さんの努力には本当に頭が下がります。ありがとうございます。
(たったひとりの、しかも部外者の自分には、いったい何ができるんだろう…)

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