本ヨミドク堂
医療・健康・介護のコラム
『いちばんわかりやすい過敏性腸症候群』 伊藤克人監修
通勤・通学途中におなかが痛くなる、試験や会議の前にトイレに駆け込む、静かな場所でガスがたまり、おならを我慢する……といった悩みを抱えているなら、過敏性腸症候群かもしれない。そうした問いかけで始まる本書は、患者の心身に寄り添いながら、病気への理解と向き合い方を伝えていく。
監修者は、東急病院の心療内科で長年、働く世代の心と体を診察し続けている伊藤克人医師。過敏性腸症候群の原因はわかっていないが、ストレスが関与すると考えられている。「下痢型」「便秘型」「混合型」「ガス型」の四つのタイプに分け、どんな場面で患者が困るのかを多く例示。それぞれにどんな対策をすれば安心なのかをアドバイスする。患者の性質についても、「不安・緊張型」「過剰適応型」「抑うつ型」に分け、共感しながらストレスを軽減する方法についても教えている。全編にわたって親しみやすいイラストを配置、読者がリラックスできるように工夫されている。
(河出書房新社 1300円税別)
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