いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ
医療・健康・介護のコラム
いつかは終わる不妊治療 でも思いは消えず、一生抱えて生きていく人も
先日、SNSでFineメンバーのTさんのこんなつぶやきを見ました。
「不妊治療のクリニック通わなくなって、10年ぐらい 経 つのに
まだ、昨日のことのように思えることが時々あります。
新政権となり、不妊や不妊治療に関する報道が続き
そんな話題を身内にしたら
『まだ(Fineの活動)を続けているんだね。(子どもを)あきらめたのに。
もう、とっくに離れていると思ってた』
そんな言葉を投げかけられました。理解されていると思っていたから
何ともいえないキモチ……。1か月くらい前の出来事でした」
不妊には終わりがない
私もこのつぶやきを読んで、切ないような、やるせないような、それこそ何とも言えない気持ちになりました。そうなんです。これは事実。「不妊には終わりがない」んです。こう言ってしまうと、不妊治療中の方にはとてもつらいかもしれませんが、不妊は自己認識の問題なので、人によっては終わりがありません。
もちろん、出産したら自分が不妊治療をしたことはもう記憶が薄れてしまい、その時のつらさも心の痛みも遠い昔のことになる人もいて、大半はこちらのほうかもしれません。けれど、そうでない場合は、たとえ妊娠・出産しても、「不妊」であったという思いは一生なくならず、その思いを自分の一部として生きていく人もいるのです。
あ、ただし、だからといって、それは「いつまでも不幸のどん底にいる」ということではありません。不妊を自分の人生の一部として受け入れ、自分なりにある程度まで消化、昇華できているということです。Fineのほとんどがこういったメンバーで、「自分が不妊でとてもつらい思いを味わった。だから、他の人にはもうこんな思いを味わってほしくないな。そのために自分ができることって何かあるのかな。私の不妊の体験は、誰かの役に立つのだろうか」、そんな思いを持ってFineで様々な活動をしています。私もそのひとりです。
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