97キロ 17歳の孫が糖尿病
孫の17歳男子。8月に糖尿病と脂肪肝と診断されました。皮膚感染症にもなりました。回復しつつありますが、再発もあり得ると言われました。1メートル72、97キロ。何に気を付けたらよいでしょう。(65歳女性)
食事と運動 まず「体重3キロ減」
大関 武彦 本牧五番街クリニック副院長 (横浜市)、浜松医科大名誉教授
肥満が続くと2型糖尿病、脂肪肝、脂質異常、高血圧などが起きることがあります。速やかな治療を要する肥満を「肥満症」と呼びます。腹囲が日本人成人男性の基準の85センチ(小児80センチ)以上あると、メタボリックシンドロームから糖尿病になったともいえます。皮膚感染症も糖尿病で見られる合併症です。長期的には神経、眼、腎臓の合併症、動脈硬化も進行させます。
2型糖尿病は遺伝病ではないですが、発症しやすい体質はあります。生活習慣に伴い、若年でも著しい肥満になることがあります。
体重(キロ)を身長(メートル)で2回割ったBMI(体格指数)が、成人で25以上だと、肥満と判定されます。質問者のお孫さんは32・7で、明確に該当します。さらに過去1~2か月の血糖状態を示すヘモグロビンA1c(HbA1c)や血糖値に異常が確認されると、糖尿病と診断されます。
2型糖尿病の治療は、食事療法(適切なエネルギー量の食事)、運動療法が基本です。生活習慣の改善こそが、軽度な2型糖尿病では重要。3キロ程度の減量で病状の改善傾向が期待できます。「3キロ減」を初期の目標にしましょう。1メートル72の高校生の適正体重は74キロ以下です。今後、病気が進行してしまうと、薬物療法を行うことになります。