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喫煙が排尿障害のリスクに、若年で顕著 約9,000人の大規模調査で判明

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 尿意切迫感や頻尿などを主症状とし、国内の40歳以上のおよそ8人に1人が罹患しているとされる過活動膀胱(OAB)。OABなど下部尿路症状(LUTS)と喫煙の関連を調べた大規模調査で、喫煙が排尿障害の危険因子であることを突き止めた、と横浜市立大学市民総合医療センター泌尿器・腎移植科診療教授の上村博司氏らの研究グループが発表した。特に若い男性では喫煙とOABに強い関連があることも判明した。研究結果の詳細はScientific Reports( 2020;10:20212 )に掲載された。

初の大規模調査で関連を調査

喫煙が排尿障害のリスクに、若年で顕著 約9,000人の大規模調査で判明

※画像はイメージです

 OABは膀胱にたまった尿を体外へ排泄するという排尿サイクルの過程に異常を来す疾患。蓄尿期に異常な尿意が生じたり、排尿筋が不随意に収縮したりすることで、尿意切迫感を中心に頻尿や切迫性尿失禁が起こる。神経疾患(脳血管障害、パーキンソン病、糖尿病神経障害など)や加齢によっても生じる。喫煙も危険因子の1つという報告があるものの、これまで両者の関連を検討した大規模な研究はなかった。

 研究グループは、インターネット調査会社と共同で、日本人成人男性1万人を対象に喫煙と排尿障害のアンケートを実施し、9,042人から回答を得た。回答者のうち、喫煙習慣のない人(非喫煙群)は3,545人、喫煙習慣はあるが禁煙中の人(元喫煙群)は3,060人、喫煙習慣がある人(喫煙群)は2,437人だった。

若年者では喫煙が強く影響

 解析の結果、OABの罹患率は加齢に伴い上昇する傾向にあったが、いずれの年齢層でも、非喫煙群に比べ、喫煙群と元喫煙群で、OAB、尿意切迫感、夜間頻尿などの罹患率が高かった。

 年齢別に喫煙と排尿症状の関係についても検討を行った。非喫煙群に対するOAB罹患のリスク比は、20~29歳では元喫煙群、喫煙群でそれぞれ4.0、2.6だった。30~39歳ではいずれも1.7、40~59歳では1.2、1.5、60~69歳では1.1、1.2、70歳以上は1.0、1.3と、特に若年者では喫煙がOABに及ぼす影響が顕著だった。

 研究グループは、これらの結果について「喫煙が排尿障害の危険因子であるとともに、特に若年者において喫煙による排尿症状の悪化が顕著であることが明らかになった。若年者では、加齢、糖尿病、高血圧など他の危険因子が少ない分、喫煙の影響が強く現れたと考えられる」と結論している。

 また、今回の知見を基に、喫煙がLUTSに及ぼす影響のメカニズムを調べる基礎研究を進めるとともに、喫煙者における禁煙行動が排尿障害の改善につながるかなどを検討する予定だという。(小沼紀子)

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